百花繚乱 南アルプス・荒川三山〜赤石岳
2016年7月15〜17日

A班は椹島(標高1123m)から千枚岳へ、B班は二軒小屋(標高1390m)から西俣慣合〜西小石岳へ。
二日目に合流する予定で5名づつ分かれての入山です。
椹島でA班を見送り二軒小屋(写真・右)へ到着です。ここから西俣へと入りました。
二軒小屋
西小石岳を経由して悪沢岳に登るル−トは一般登山道ではありません。
その昔、林業が盛んだったころは西俣にも大勢の人が働いていたそうですが、今では渓流釣りの人や、
ごく一握りの物好きな登山者のみが足を運ぶ場所となってしまっています。
西俣慣合
7時30分、二軒小屋発電所から歩き始めました。東海パルプの看板から先は車も通れない荒れた道です。
4〜5年前の大雨の被害ですっかり道も壊れてしまったようです。河原や巻き道を進んでいきました。
初日の天気は良く、ホタルブクロ・カワラナデシコ・ヤグルマソウ・シモツケなどが咲いていました。

蛇抜沢の渡渉では水量が多かったので靴と靴下を脱ぎ長い棒を使って慎重に渡りました。キ〜ンと冷たい水でした。
西俣を約3時間歩き西俣慣合(写真・左)に着きました。その手前で各自水を3リットル補給して、いよいよ尾根に取り付きます。
険しい登り       ギンリョウソウ
ここから標高差300mほどは急傾斜の連続です。(写真・左)登れそうな斜面に取り付いたものの、
倒木と腐葉土の堆積した非常に荒れ果てた状態。足元は柔らかいが倒木を跨ぎながらの苦しい登りで、
油断して木に捕まると根元から折れてしまいヒヤっとする場面もしばしば・・・。
うす暗い斜面にはギンリョウソウ(写真・右)が咲いていました。
小河内岳
慣合から急斜面を登ること2時間弱、やっと尾根に出ました。(標高2200m)ここからは所々に古ぼけた青いナイロン紐が
木に巻いてありました。多少は人が入っているようです。禁断の無展望から多少視界が開けるようになると、
気持ちも晴れ晴れします。塩見岳や小河内岳(写真・左)が見えました。
  

尾根に出ると多少は傾斜が緩くなるものの、相変わらず倒木が多くル−トファインディングしながら歩き易そうな斜面を選び
上へ上へと進んでゆきます。14時20分(標高2340m)このあたりの樹林はシラビソ・ツガ・トウヒなど鬱蒼として薄暗いです。
15時45分(標高2480m)新蛇抜沢のカシラのガレが見えてきました。その左にはまだ日の射している蝙蝠岳も見えます。
倒木跨ぎと急登の連続で労力を使い果たした私達は少し早いけどビバ−クすることにしました。
新蛇抜沢のカシラのガレ    コバイケイソウ
テントからは新蛇抜のガレと蝙蝠岳が見渡せる絶好のポイント。夕方には富士山も望めました。
テントの中では一息つくと、出るわ出るわアルコ−ルの数々!大量の水も担ぐため軽量化も意識していたはずなのに、
ビ−ル・ワイン・日本酒・洋酒・・・。ロ−スハムや焼き豚のツマミも登場して一気に宴会モ−ドに突入しました。
夜は風が強かったけれど幕営地への影響は全然なく、快適な一夜でした。
【翌朝3時起床】、朝食はたまご雑炊。
テントを撤収し4時45分、少し明るくなったころ西小石岳に向け出発です。
まだまだ鬱蒼とした森が続き、樹幹の広い所を見極めながら倒木を跨いで進んでゆきます。
ダケカンバの林になるとお花畑らしい場所も出て高度が上がっていることを実感しました。
樹林帯を抜けるとハイマツ帯です。西小石岳まであと1時間ちょっとという所から今日最大の難関ハイマツの藪こぎが始まりました。
枝は下に向かって伸びているので枝を両手で掻き分けな
がら、背の高い枝は乗り越えながら、遅々として前進していきます。
西河内岳 ライチョウ シャクナゲ
7時、歩き始めて2時間後、ついに西小石岳(標高2827m)に登頂しました。雨と霧で視界は悪いです。
西小石岳を通過してもなおハイマツの藪こぎに悩まされました。
雪渓の中に雷鳥(写真・上)を発見!
悪沢岳方面に向かうとお花畑が出てきました。写真はシャクナゲ
悪沢北斜面のお花畑 悪沢北斜面 イワベンケイ
悪沢岳北面のカ−ル地形のお花畑の中を歩いています。視界が悪いのが残念。
足元には無数の高山植物(オヤマノエンドウなど)が点在しています。
イワベンケイとタカネツメグサ
アオノツガザクラ カモシカの・・ タカネシオガマ
アオノツガザクラ 標高2900m以上にあったカモシカの排泄物。シカの食害により高山植物は激減している。 タカネシオガマ
    ショウジョバカマ
10時30分、悪沢岳(標高3141m)に登頂です。頂上に着いたとたん強風と雨で震え上がりました。
岩稜を降りて中岳に向かう登山道の両側には南アルプス一番のお花畑があり、満開の時を迎えていました。大感激です!
中岳避難小屋でしばし休憩をとって中岳、西岳と立て続けにピ−クハントした後は荒川小屋に向けどんどん下っていきます。
雪解けが遅いのかショウジョバカマ(写真・右)もありました。
ミヤマクロユリ  
中岳から荒川小屋に向かうトラバ−ス道も高山植物の宝庫です。まさに百花繚乱、ミヤマクロユリもたくさん咲いていました。 
稜線上で見られる高山植物、ごく一部ですが紹介します。
百花繚乱
≪タカネヤハズハハコ≫     ≪ミヤマオダマキ≫   ≪ハクサンイチゲ≫        ≪チングルマ≫

    ≪シナノキンバイ≫           ≪ナナカマドの花≫            ≪ハクサンチドリ≫
14時、2日目の幕営地(荒川小屋)に到着しました。一日中雨の中に居て靴の中も服もびしょ濡れ状態。
テントの中で乾かしながら総勢10名で再会を祝いました。アルコ−ルはお金さえだせば小屋でいくらでも調達できます!
水も豊富にあります。今宵の夕食は帆立グラタンとししとうとハムの炒め物。

【3日目】、朝2時起床、夜だけ雨は降っていませんでした。山の定番マルタイラ−メンの朝食を取り支度を整えテント撤収。
このころから再び雨が降り出しました。4時、ヘットランプを着け赤石岳へと向かう長い一日が始まりました。
大聖寺平では雨風共にきつく、小赤石から赤石岳に向かう稜線では耐風姿勢をとることもしばしば・・・。

やっとたどり着いた赤石岳(標高3120m)(7時到着)では台風並みの暴風雨でした!
至る所に残雪があり雪が多かったことを実感しました。  
赤石避難小屋でしばし避難の後(小屋番の榎田さんにレモンティ−とポップコ−ンをご馳走になりました)、
7時45分いよいよ椹島に向けて標高差2000mもの下りに突入です!
北沢の源頭への下りの斜面も百花繚乱のお花畑(上の写真と同じ)が広がっていました。
雨は容赦なく降り続き、椹島に降りるまでほとんど途切れることもなく大雨のまま推移していきました。

14時30分椹島に到着。お疲れさまでした。
  
   〜【おまけ】   今回の私のアイテム〜
プチ旅で培った≪体脂肪≫を燃焼して登山のエネルギー転換する私の必須アイテムを紹介します。
水分補給にはクエン酸主体のメダリストを溶かして。ここでもうひと頑張り・・・の時にはアミノバイタルの粉末をそのまま。
行動中にはレモン味系のグミ・・・一粒で数百メ−トルのエネルギ−補給。
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