今年の夏の北アルプスは・・・

雲上のお花畑と絶景と温泉三昧の  し ろ う ま

                                                     2006年8月4日〜6日

魅惑の≪ナツヤマ≫第3弾 は 【しろうまだけ】に行ってきました。
通称 《後立山連峰》  ゴタテ と呼ばれている山域ですので稜線から見える立山や剱岳が超カッコイイです。
でもこの時期の《しろうま》の魅力はなんといっても高山植物の豊富なこと・・・。
花の最盛期は7月中旬から8月上旬までの期間限定。さあ 急いで 急いで・・・
今回選んだコ−スは大雪渓から登って白馬三山(白馬岳・杓子岳・鑓ケ岳)を縦走して鑓温泉に下るル−ト。二泊三日の行程です。

当日の天気は晴れ! 天気予報は明日も明後日も晴れ! 登山口の猿倉から1時間ちょっと歩いて白馬尻に着きました。
ここが大雪渓の入口で、気分まで晴ればれです。
白馬尻
白馬尻のお花と大雪渓
【キヌガサソウ】           【クロバナエンレイソウ】    【サンカヨウ】       さあ、大雪渓へ・・・
雪渓に下りる地点まで15分位歩きました。大雪渓を見にくる観光客の姿も多かったですよ。
雪解け後の登山道には瑞々しい高山植物がいっぱいです。

軽アイゼンを付けて雪渓をグングン登っていきます。今までの暑さも吹っ飛び天然のク−ラの中にいる心地良さです。
一年前に上部で土砂崩落がありましたが、今年も7月22日に大規模な崩落がありました。
その地点では山岳警備隊が監視してくれていました。お疲れさまです。
杓子岳と葱平のお花畑
葱平上部から見上げた杓子岳       葱平のお花畑    【シナノキンバイ】   【チシマギキョウ】
登りはじめて1時間ほどで崩落地点が見えてきました。一年前のよりは少し下で、長さ200〜300mほどでしょうか。
土砂や大きな岩が雪渓の上に堆積していました。
雪渓にはクレバスができており、通行注意箇所でした。葱平(ねぶかっぴら)で雪渓は終わり、岩混じりの急登が始まりますが、
高山植物が多い所なので写真を撮りながら気分転換し、自分を励まします。

      
テント場とその周辺の高山植物
葱平からは小雪渓を渡ると、いよいよ県営白馬岳頂上宿舎への最後の急登が始まります。
木の階段状の道のあちこちにはお花畑が広がります。
【ウルップソウ】がたくさんありますがもう花は終わってしまったようです。中には)まだ花が咲いている株もありうれしかったです。
【ハクサンイチゲ】(白色)も満開です。テントサイト(写真右下)は県営白馬岳頂上宿舎にあります。幕営手続きを済ませテントを
設営後、旭岳に向かう登山道を降りてみると(写真中央)【ミヤマクロユリ】や【ハクサンコザクラ】などの花が咲いていました。

私の愛用のザックはミレ−の60Lで今回の重量は15Kgでした。ザック本体の重さもありますが
、テントや生活道具、2泊3日分の食糧が入っています。
毎年、この時期にテント担いで単独行が私のライフワ−クでもあります。自力本願かつ、気ままな山旅が魅力です。
以前は缶ビ−ルも担いだものですが体力に限界を感じ!?  最近では諭吉さんをお供にしています。

モルゲンロ−トの立山・雪倉朝日
二日目の稜線からの眺めです(写真 左)翌朝は4時前に目が覚めました。テントの外では『満天の星空だよぉっ!』と騒いでいます。
今朝は白馬から三国境まで足を延ばすつもりで支度をして、テントから出た時にはすでに周りは明るくなりつつありました。

稜線からは立山・剱岳がモルゲンロ−ドに染まっていました。白馬岳に一回目の登頂をした後は三国境に降りてゆきます。
三国境まで下る目的は斜面いっぱいに咲くコマクサを見たかったからです。   
三国境からは(写真 右)たおやかな稜線の向こうに雪倉岳や朝日岳が見えます。
この稜線にはシロウマアサツキやミヤマムラサキなど、他所にはない固有種があり高山植物の多さには定評があります。
稜線に咲く花々
三国境手前で岩崎百名山を編んだ岩崎元郎さんのワ−ルドツア−ご一行様と行き会いました。
コマクサ(写真左上)は三国境から手前の西側の岩礫の斜面一面に咲いていました。
登山道にはそれ以外にたくさんの種類の花々が咲き乱れています。

          ミヤマアズマギク(左下)。 手で触ると御香の香りがするイブキジャコウソウ(中央)。 
ひときわ目に鮮やかなミヤマシオガマ(右)。 

 再度白馬岳に登頂し、その後はテント場に戻ってテントを撤収。再び重いザックを背負い縦走コ−スへと進みました。
白馬三山
二日目も好天に恵まれ、花と絶景のスカイトレイルが楽しめました。なんと北アルプスのほとんどの山々が見渡せるのでは・・・。 
    
         上の写真が白馬三山   左から  《白馬岳2932m》   《杓子岳2812m》   《鑓ケ岳2903m》

こちらの稜線にも(花は終わっていましたが)ウルップソウがずぅっとありました。
丸山から最低鞍部まで下り、次の杓子岳へ。しかし山頂へ続く道とトラバ−ス道の分岐はなく危うく通り過ぎてしまうところでした。
幸い上から降りてくる登山者がいたので助かりました。岩ザクの大変な急登で重い荷物が堪えます。
やっと辿り着いた杓子岳は白馬岳の展望台です。
絶景を満喫した後は最後のピ−クに向かってザク道を下りました。鞍部から見上げる鑓ケ岳も手強そうに聳えていました。
ザレ場の急斜面を登り返しついに鑓ケ岳登頂! 。 今までとはまた違う景色が広がります。
 前方には唐松岳や鹿島槍が見えます。遠く槍ヶ岳も見えます。 その手前には、まりも色の黒部ダム湖まで見えました。
大出原
絶景のスカイトレイルが終わり、これから鑓温泉へ下ります。分岐でみつけた大ぶりの  【タカネイブキボウフウ】
下り始めの斜面にもコマクサがありました。ガレ場の急斜面をジグザグに下り、雪田を渡るとここが大出原(おいでっぱら)。
残雪もたっぷりあり、周囲はハクサンコザクラやチングルマ・ミヤマキンポウゲ・コイワカガミなど、
やや小さめの花が咲き乱れ代表的なお花畑となっています。
だんだん硫黄の匂いがしてきました。潅木帯を抜けると露岩帯のクサリ場が出てきます。
スリップしないように慎重に下ると鑓温泉に到着しました。
鑓温泉の足湯とヤマ飯
14時、鑓温泉小屋に到着。幕営料500円と入湯料300円を払いさっそくテントの設営です。
テント場のすぐ上には名物の混浴露天風呂がありますが昼間は男性だけです。
入浴風景はテント場と登山道からよく見えますが写真撮影は止めました。
女性用には小屋がけの温泉があり、こちらも4畳位と広く、湯船の真ん中に源泉かけ流しで滝のように落ちる打たせ湯らしきものがあり、
野趣味満点。
湯の花が多いトロンとした硫黄泉で温度も低めなので長く入浴できるのがうれしいです。(写真はテント場にある足湯です。)
ビ−ル片手に足湯にも長いこと浸かっていました。宿泊者は次々と足湯に集い、絶好の社交場になっていました。

テントの外で少し早いディナータイム(もちろんビ−ル付き)一人の時の食事はまったくの手抜きです。
アルファ−米の味付けご飯やパスタメニュ−、レトルトを使います。ただしソ−セ−ジやレトルトの味にこだわり?
高価なものを持ってきます。食欲の無い朝食はカップコンソメス−プとジフィ−ズの御飯で洋風リゾット・・・これはなかなかイケますよ! 

この日は内湯2回、足湯2回、晩酌タイム2回? と  温泉三昧の至福の時を過ごし、静かに夜が更けていきました。
鑓温泉からのご来光      下山路の雪渓
さて3日目、最終日は猿倉まで下山です。朝4時に目が覚め、まずは朝風呂へ。

その後はテントの外で、昨日見損ねたご来光を待ちながら、コ−ヒ−を沸かして朝食を摂りました。(写真 左)
今日も暑くなりそうです。6時には出発の準備が整いました。

テント場から下に降りてゆくと大きな雪渓に出ます。まずはこの雪渓を下りベニガラの通りに杓子沢を登り返すのですが
、ここは落石だらけの危険地帯で足早に通り抜けました。(写真 右)
あと2〜3箇所、雪渓を渡りますがいずれも通行には問題ありませんでした。
小屋から1時間半ぐらいは双子尾根の南腹をまわり込む道で、三歩下って二歩上がるような道が延々と続きました。
だんだん遠くに見えるようになる鑓温泉ですが高さ的には「少し下がったかな?」くらいの感じでした。
小日向のコル手前の花 ニッコウキスゲと最後の展望 
   【ナデシコ】                【シモツケ】        【水芭蕉】            【ニッコウキスゲ】

やがてナデシコやギボウシ、シモツケなどが咲くお花畑を通過すると《小日向のコル》に着きました。
この一帯は湿地帯になっていて、花が終わって巨大化した水芭蕉の群生地になっていました。
少し下った広場にはニッコウキスゲが咲いていました。ここが稜線が見える最後のビュ−ポイントなので
しっかりとこの景色を目に焼きつけ、あとはひたすら樹林帯の中を下っていきました。

出発地点の猿倉には9時30分頃到着しました。せっかく今朝も温泉に入ったのにすでに汗びっしょり・・・。
車で15分ほど下った所にある《おびなたの湯》で再度温泉に入り、豊科ICへ。 諏訪南ICで高速を降り、寄り道です。
白州道の駅で新鮮野菜を大量に買い込み、その後いつものお店で桃を買い、大満足で帰途に着いたのでありました。
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