鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷで、奈良・京都の世界遺産へ〜
2010年 10月
奈良 平城京と法隆寺の一日
青春18きっぷよりも存在を知られて
いない、お得な切符がありました。
「鉄道の日」は10月14日。

この時期に「鉄道の日記念・JR全線乗
り放題きっぷ」が発売されていました。
3回分で9180円(1日3060円)なので、
青春きっぷ(1日2300円)よりは少し高い
ですが、秋の行楽シ−ズンに利用
できるのがいいですね。
今年は10月2日(土)〜17日(日)の16日間が利用期間でした 
南門広場から見た第一次大極殿 世界遺産 平城宮跡 奈良 平城京  第一次大極殿
今年の猛暑で、夏の京都・奈良には行かなかったので、この機会に行ってみました。
奈良にはもちろん日帰りです。朝5時半ごろの始発に乗って、何度か乗り換えして奈良駅には11時に到着。
5時間以上かかりますが、豊橋から西は快速・新快速電車なので、車両も二人がけでシ−トも良くて長時間の乗車でも、
ゆったりと旅を楽しめます。

奈良駅から無料シャトルバスに乗って平城遷都1300年祭の会場に向かいました。
巨大な駐車場のあるエントランス広場にはお土産や食事のできる処があり、どこも大賑わい。
ここから標識に従って近鉄の踏み切りを渡って、南門広場に向かい、何にもない だだっ広い草むら(ここすべてが遺構なんですが・・・)
横の遊歩道を歩き、遠くに見える第一次大極殿に向かいます。

10月で、雨が降りそうな天気だったからよかったものの、今年の夏の炎天下にここに訪れたていたら・・・と、考えたらめまいがしそう!。 
遷都1300年のメイン会場では、行程の大部分がこのような景色の中を延々と歩き続けるだけですから・・・。
第一次大極殿内部   高御座(たかみくら)国家儀式の際に天皇が着座した王座

東院庭園

遣唐使船復原展示

第一次大極殿の内部を見た後は、第二次大極殿の敷地を抜けて、東院庭園を見て、ひたすら歩いてエントランス広場に戻ってきました。 
遣唐使船復原展示の向こうにある建物が平城京歴史館です。時間をかけて歩いて回ったいうだけで、
イマイチ感動できるものがなく、期待はずれ感が残りました。

ここの平城京歴史館にミニシアタ−があるのですが、ここに入るのにも入場整理券を受取り、
指定時間に平城京歴史館に来て入場料を支払って入場するもので、配布時間も午前午後の2回だけ。
肝心のミニシアタ−もインタ−ネット予約だって書いてあって、ここに入ることだけで1日がかりだなんて!!!。
「はるばる奈良まで来て、何してんの!?」 って思って、早々に退散しました。
奈良駅からは再びJRで法隆寺に向かいました。ここからバスに乗って、もう一つの目的地に着きました。
世界遺産 法隆寺 西院伽藍    中門と五重塔

法隆寺は
飛鳥時代の姿を現在に伝える世界最古の木造建築として広く知られています。
用明天皇が自らのご病気の平癒を祈って寺と仏像を造ることを誓願されましたが、その実現をみないままに崩御されたといいます。
そこで推古天皇と聖徳太子が用明天皇のご遺願を継いで、推古15年(607)に寺とその本尊「薬師如来」を造られたのが
この法隆寺(斑鳩寺とも呼ばれています)であると伝えています。

西院伽藍 五重塔  東院伽藍 夢殿 西院伽藍 金堂

法隆寺のご本尊を安置する聖なる殿堂が金堂です。
聖徳太子のために造られた金銅釈迦三尊像(飛鳥時代)、その左右には太子の父である用明天皇のために造られた
金銅薬師如来座像(飛鳥時代)、母である穴穂部間人皇后のために造られた金銅阿弥陀如来座像(鎌倉時代)、
それを守護するように樟で造られたわが国最古の四天王像(白鳳時代)が、邪鬼の背に静かに立っています。


大宝蔵院には
夢違観音像(白鳳時代)・推古天皇御所持の仏殿と伝える玉虫厨子(飛鳥時代)・蓮池の上に座す金銅阿弥陀三尊像を
本尊とする橘夫人厨子(白鳳時代)などがありました。 


その中で印象的だったのは、百済観音堂に安置された百済観音像です。
長身ですっらっとした細面のお姿はとても珍しく、優美で慈悲深い穏やかな表情をしていらっしゃいました。
また飛鳥仏は『アルカイックスマイル』といって、古典的な微笑みが他の仏さまとは違う面差しで印象的でした。

中宮寺 掲示板の中の写真
法隆寺から標識に導かれて向かった先に中宮寺がありました。
入り口の掲示板に『如意輪観音菩薩像』という文字を見つけはっとしました。
先月、北岳への登りでブロッケンを見た時、脳裏に閃いた『如意輪観音菩薩像』に出会えるなんて、何かの縁でしょう。

さっそく入ってみることにしました。小さなお寺ですが、そっと中に入って、如意輪観音菩薩像にお会いすることとができました。
凛として気高く、微笑みを浮かべてそっと迎えてくれてくださっているという雰囲気の中で、
見ているだけ心が穏やかになり、幸せな気持ちになりました。


『日本の仏像』土門拳著(小学館)には、
「頬にあてられている右手の細くたおやかな指先は色っぽく、官能的といえるほどしなやかな表現を与えている。
ぼくはこの観音像くらい、女、それもゆたかな母性を感じさせる仏像をほかに知らない。」と記述しています。

法隆寺と中宮寺で、飛鳥時代の歴史と世界最古の木造建築、ありがたい仏様にお会いでき、
奈良ならではの充実した時間を過ごすことができました。
帰りは京都に出て、たっぷり時間をかけて電車を乗り継ぎました。

起点から法隆寺までは360km、乗車時間は5時間15分、運賃は片道5780円です。
鉄道の日記念きっぷは1日、3060円なので、
8500円もお得でした。
京都 比叡山周遊の一日
「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」
を使って以前から気になっていた
比叡山に行ってきました。

琵琶湖の西側、京都からはバスで
40〜50分かかる山の中にあります。

行き方のル−トを調べていたら、
回遊券という便利なきっぷがあり、
これを使って比叡山を巡ってみる
ことにしました。


比叡山ケ−ブル&バス回遊券→
2500円
お得な乗車券いろいろ
朝はいつもよりゆっくりの、6時21分の東海道線上りにのって出発。
京都の一つ手前の山科駅で下車し、待ち合わせ時間13分の間に緑の窓口で上記の回遊券を買い求め、
湖西線に乗り換え10分ほど・・・。比叡山坂本駅で下車したのが11時です。
ここから比叡山ケ−ブルまではバスが出ていますが、このバスからが回遊券が利用可能です。

比叡山に行こう!
比叡山ケ−ブル坂本駅 比叡山ケ−ブル ケ−ブル延暦寺駅
時間節約のためバスに乗りましたが、比叡山ケ−ブル坂本駅周辺には比叡山ゆかりの名所旧跡が4箇所ほどあります。
時間があれば、ゆっくり歩きながら見学し、ケ−ブル駅に向かうのもいいかもしれません。
ケ−ブル延暦寺駅からの琵琶湖 散策道
比叡山延暦寺公式HP 東塔(とうどう)エリア 根本中堂

延暦寺根本中堂(えんりゃくじこんぽんちゅうどう)は、比叡山延暦寺の総本堂である。

伝教大師最澄が788年(延暦7年)に、一乗止観院という草庵を建てたのが始まりとされる。

本尊は最澄が一刀三礼して刻んだ薬師瑠璃光如来と伝えられており、その宝前に灯明をかかげて以来最澄のともした灯火は
1200年間一度も消えることなく輝き続けているので、『不滅の法灯』と呼ばれています。
比叡山延暦寺の中心であることから根本中堂といい、比叡山では東塔という区域の中心的建築物です。
内陣が、参拝者のいる中陣・外陣より低い位 置にあり、御本尊や法灯が参拝者の目の高さにきているのは、
仏も人もひとつという 仏教の「仏凡一如」の考えを表しています。


内陣は木の格子の間から中を見ることができました。ひんやりとして薄暗く、ぼんやりと灯る『不滅の法灯』
やお線香の香りや煙が立ち込め、一種独特な空間でした。
目の高さよりも低い位置にあるこのような造りの仏閣は初めて見ました。

比叡山は、東塔・西塔、横川と、
三つのエリアに分かれていて、特に
横川エリアは数キロ離れているので、そ
れぞれを結ぶシャトルバスが30分〜1
時間に1本走っています。

(前出の周遊券はこのバスも乗り降り自由
ですし、比叡山の3箇所共通拝観料も
含ます。周遊券があれば京都駅に
着くまでの出費はありません。)

東塔から西塔(さいとう)へは1kmなの
で歩いて向かいました。
東海自然歩道 東塔から西塔の間にある浄土院
西塔(さいとう)エリア 常行堂   常行堂   (にない堂)   法華堂 釈迦堂
西塔は東塔より北に1Km、山上では最も古い建物の釈迦堂を中心に諸堂が点在し、美しい中にも荘厳な雰囲気が漂います。
ご本尊は伝教大師自作の釈迦如来立像で、堂の名前もこれに由来します。
東塔にくらべてこじんまりとした西塔エリアでした。
横川(よかわ)エリアは西塔よりさらに
北へ4km、少し下ったところにあります
が、さすがに歩けないので乗り放題
のシャトルバスで向かいました。

道中はカエデの木が多く、横川エリア
にもカエデの木が多かったので、紅葉
シ−ズンは賑わうところでしょう。

横川中堂
四季講堂(元三大師堂)
元三大師堂

古くは定心房と呼ばれ、比叡山中興の祖・元三慈恵大師の住房跡。
四季に法華経を論議することが始められて以来、
四季講堂と呼ばれるようになりました。

ここでは、角大師(つのだいし)のお姿を授与しており、
魔除けの護符になっています。

現在は元三大師を本尊にしているので、「横川の大師さん」とも呼ばれ
親しまれています。俗にいう“おみくじ”の元祖です。
 
横川からシャトルバスで東塔に戻り、ここから京都駅行きのバスにゆられ50分。
比叡山には売店や食堂などが少なく、昼食を食べ損ねてしまいました。京都駅のデパ地下で京弁当を買って、
夕方5時30分の電車に乗って帰途につきました。
日曜日の夕方なら通勤ラッシュもなく、快適な座席を一人掛けでき、ゆっくりとお弁当を広げたのでした。

最後に恒例の得した試算です。
起点→比叡山坂本=5250円(311km)  京都→起点=5250円(305km) 往復10500円
鉄道の日きっぷは3060円なので、
7440円 もお得でした。 
お得した分で比叡山ケ−ブル&バス回遊券(2500円)も買えて、京弁当(800円)も買えたし・・・(^_-)-☆

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