八ヶ岳   百花繚乱の稜線歩き  硫黄岳〜横岳
2010年6月30日

梅雨入りして、すっきりしない天気が続きますが、毎年6月恒例の八ヶ岳に登ってきました。
自分の都合とお天気が折り合わず、6月も最終日、前日確認した天気予報で晴れマ−クになったので、チャンスです!
美濃戸山荘からスタ−ト まずは北沢に進みます 柳川北沢にかかる橋を何度か渡ります
前日はワ−ルドカップも観ずに早めに就寝・・・。朝早くに家を出て、中央縦貫道から中央道へと入ってきました。
甲斐駒ケ岳は朝日が射し、輝いています。八ヶ岳もすっきりその雄姿を現しました。
幸先のいいスタ−トにひと安心して、ここでもう一度山頂の天気予報を確認しました。 

そうしたら・・・晴れマ-クが曇りマ−クになってしまいました(-_-;) 。
「せっかくここまで来たのに・・・」と、ちょっと気分消沈したものの、
「まあ、梅雨時だし、花を見に登るのだから」と、気を取り直して、「さあ出発するゾ!。」
今回も美濃戸口から美濃戸まで車で
入り、駐車料金1000円を払い、ちょっと
歩いて美濃戸山荘からスタ−トです。

ここから北沢コ−スで赤岳鉱泉に
向かいます。最初は車も通れるくらいの
広いダ−トな道を登っていきます。

堰堤が見えると登山道になります。

柳川北沢にかかる橋を何度か渡って
高度を上げていきますが、新緑と沢の
流れる水辺は毎年見ても癒されます。

ただ・・・やはり曇りっぽいな〜〜という感じ
で霧のかかった空を見上げました。

足元にはシロバナヘビイチゴが
あちらこちらで咲いていました。

キバナノコマノツメも見ることができました。

キバナノコマノツメ シロバナヘビイチゴ
赤岳鉱泉
広い河原のあたりからは、雲がかかっているものの、横岳や大同心などのピ−クが見えていました。
その先に赤岳鉱泉があります。 今日は平日なので、赤岳鉱泉には登山者の姿もなく、ひっそりと静かでした。
オサバグサ コイワカガミ
赤岳鉱泉からは本格的な登りとなり、急登が続きます。ここでいっきにペ−スダウン・・・。 
でもここからコイワカガミの花がどこかしこも満開で、いい休憩ポイントが続きます。
オサバグサも数は少ないけれど、まだ咲いていました。
    クモマナズナ                針葉樹の林を抜けると八ヶ岳の主峰、赤岳や阿弥陀岳が見えるポイントがあります。
赤岩の頭 ツガザクラ ミヤマシオガマ(ピンク)
コイワカガミ イワウメ 硫黄岳(2760m)
それからほどなく赤岩の頭に出て、ここから一気に視界が広がりました。ザレた道と岩稜帯をひと登りして横岳に向かいます。
この稜線からは高山植物の数がいっきに増してきました。
相変わらずコイワカガミもたくさん咲いていましたが、ツガザクラやイワウメの花を見ると、アルプスの夏山を連想してしまいます。
そう! この時期の八ヶ岳から私の夏山がスタ−トするって感じです。
コマクサ(ピンク) ウルップソウ(紫) 硫黄岳山荘
硫黄岳を通過し、硫黄岳山荘へは、岩を拾ってぐんぐん下ります。
山荘手前からが、八ヶ岳一番の高山植物の宝庫となります。

本州では北アルプスの白馬岳周辺と、八ヶ岳ではこのあたりだけに見られるウルップソウがあり、コマクサの群生地でもあります。 
ウルップソウはちょうど見ごろです。  コマクサはまだ少し早いのですが、蕾を付けているものもありました。
ハクサンイチゲ(左上)       チョウノスケソウ(左下)               砂礫の登山道(右上)   キバナシャクナゲ(右下)     
硫黄岳山荘あたりで、登山者2〜3組とすれ違いました。 こんなに高山植物が最盛期なのに、
梅雨時の平日は登山者が少ないです。  硫黄岳山荘でゆっくり休憩した後、次のピ−クの横岳に向かいます。

この先の稜線にも、貴重な高山植物がたくさん見られる箇所が目白押しです!。
ハクサンイチゲも咲き始めました。チョウノスケソウは今がまさに最盛期で、この稜線上で最も旬な花でしたよ。
コマクサの一大群生地となる砂礫の道は、今はキバナシャクナゲが満開でした。
ツクモグサ ミヤマキンバイ
砂礫の道を登り切ると、その先に横岳のピ−クが見えます。 数は少ないけれどミヤマキンバイも咲いていました。

横岳へ向かう鎖場の手前から ツクモグサを見ることができます。
「どうかなぁ〜、まだ残っているかなぁ〜。」と、あたりを見渡してみると・・・まだかろうじて咲いていてくれました。
「この花を見ると、また今年も八ヶ岳に来れたな!」って思ってしまいます。最初の鎖場こ越えると、ここが横岳(奥院2829m)です。
チョウノスケソウと遠景(右)が諏訪湖 阿弥陀岳とオヤマノエンドウ
横岳周辺はいくつものピ−クがあり、岩場が多く、鉄ハシゴや鎖場などが多くなります。
曇りの予報は、ありがたいことにハズレ、太陽がまぶしく照り返します。 遠くには諏訪湖が見え、
眼下には樹林の中に赤岳山荘や行者小屋も見えました。  
赤岳(左)と阿弥陀岳(右)
行く手には終始 赤岳や阿弥陀岳が見えました。

横岳周辺は八ヶ岳の中で、一番高山植物が豊富なところです。

杣添尾根分岐の手前でもウルップソウが見られました。
登山道からずっと離れた所の斜面にも、たくさんのウルップソウが確認できます。
コマクサはまだ株も小さく葉っぱのみでした。


少し下って、杣添尾根までやってきました。ここからも岩場の道が続きます。
展望も申し分なく、梅雨時だっていうのがウソのよう!。

まさに百花繚乱のお散歩コ−スです。

道の両側には色とりどりの高山植物でいっぱいです。

三又峰(杣添尾根分岐)
オヤマノエンドウ(紫)  チョウノスケソウ(白)         ツクモグサ(黄)              ハクサンイチゲ(白)        
日ノ岳周辺(横岳最高峰)のお花畑
岩場を慎重に通過していくと、このあたりで、一番大きなお花畑があります。 
6月の初旬なら、ツクモグサの一大群生地になっているところです。
今は色とりどりのお花畑になっていましたが、よ〜く見ると、ツクモグサもまだいっぱい残っていました。
鎖場が続く・・・ イワヒゲ
この先も岩場が続きます。あらあら!イワヒゲも咲いていました。
私はこのル−トを歩く時、【硫黄岳→横岳→地蔵の頭】というコ−スで歩くことにしています。
逆ル−トで歩く場合、地蔵の頭から横岳にかけては、いくつものピ−クを越えていくので、なかなか大変なんです。
赤岳 (手前に赤岳展望荘) 地蔵の頭  下山路はいきなりの急降下
大展望の稜線散歩もそろそろ終了です。赤岳も近くなりましたが、今回も日帰りなので、赤岳展望荘手前の地蔵の頭から、
一気に下山します。 急降下ながら、所どころ鉄製の階段も整備され、ぐんぐん下っていきます。
あっという間に 先ほど通過した横岳の岩峰群が、あんなに高く見上げるようになってしまいました。
鉄製の階段も整備が進み、下り易くなっています(ここを登るのはイヤだけれど・・・)。 ここからもぐんぐん下っていきます。
行者小屋
下りはじめて30分ちょっとで、あっという間に行者小屋まで下りてしまいました。 
行者小屋周辺も登山者の姿はなく、ひっそりとしていました。 行者小屋から眺める八ヶ岳も特別な景観です。

この景色を独り占めして ゆっくり寛いだら・・・後は南沢を下るのみです。
最初はなだらかな一本道ですが、やがて、小さな沢を行ったり来たりするようになります。
比較的傾斜の少ない道なのですが、この登山道で道迷いが起こっているという警告看板も出ています。
水の流れの少ない箇所も大雨や台風の後だと通過が困難になるのでしょう。 
沢の渡渉も多いので、渡渉地点では周りの景色に気を配り、登山道を外れないように注意が必要かもしれません。

最後に堰堤横の階段を越えて、スタ−ト地点の赤岳山荘に戻ってきました。 
今日の行動時間が10時間弱、歩行時間は8時間ほど?。今シ−ズン初の夏山を充分満喫できました。 
帰り道には、小淵沢の道の駅にある 延命の湯でゆったりと温泉で癒され、充実した一日が終わりました。
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