白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳
2010年7月17日〜19日
1日目 2010年7月17日
梅雨明けも秒読み段階となった、海の日の三連休に北アルプスに行ってきました。
いつもは単独行が多いのですが、
久しぶりに山の会のメンバ−総勢6名でのフラワ−トレッキングです。

行き先は北アルプスの中で、一番高山植物の豊富なエリアの白馬岳周辺・・・
その中でも雪倉岳〜朝日岳周辺の高山植物は群を抜いてすばらしい!!。

ただし、アプロ−チが長く、前夜発で蓮華温泉の駐車場に未明に着き、
仮眠をした後、二泊三日の周遊登山のスタ−トとなりました。
6:30 蓮華温泉ロッジ出発 タカネバラ キヌガサソウ         登山道より雪倉岳方面が見える
蓮華温泉の露天風呂への道を左に分けて、スタ−ト。最初はやや急登なジグザグ道でどんどん高度を上げていきます。
最初は時折露天風呂の湯気が見えたりしてのが、高度が上がるにしたがって雪倉岳方面が見えるようになりました。

このあたりは、去年の5月、山スキ−で登った所で、
急登で苦しめられ、カラダじゅうから、前日入った温泉の硫黄の臭いがしたことを、昨日のことのように思い出されました。
8:00 天狗の庭
天狗の庭まで来ると、急な登りもひと段落します。
展望も抜群で、ここで一服している登山者も多く、ここで今回初めて ミヤマムラサキの花を見ることができました。
9:45 白馬大池の白馬大池山荘              白馬大池から雷鳥坂を登る
天狗の庭から1時間ちょっとで白馬大池に着きました。このあたりは まだたっぷり雪渓が残っていました。
だからなのか?、高山植物はまだ、それほど多くありませんでした。
白馬大池周辺に咲いていた  ハクサンコザクラ・ウルップソウ・ハクサンイチゲ・ミヤマダイコンソウ
白馬大池から小蓮華に向かう イワベンケイとアマナ
白馬大池でたっぷりと休憩した後、雷鳥坂を登っていきました。
今日は雨予報だったのに、先ほどまでは、周りの山々を見渡せるいい天気でした。
でもこのあたりから、雲が多くなりました。  小蓮華山に向かういくつかのピ−クも雲の中・・・
ウルップソウ ハクサンイチゲ
森林限界を超えた尾根歩きが続きます。雲のおかげで日差しがなく、快適に歩けます。
展望がないのは残念ですが、足元にはたくさんの高山植物が迎えてくれました。
ウルップソウはこの稜線上、いっぱいありましたが、すでに終わっているもののほうが多かったです。
チシマギキョウ 今回同行の 頼もしいメンバ−達
同行のメンバ−は、体力・脚力ともに
絶好調の30代〜50代の
男性・女性です。

私は久しぶりの2泊3日のテント泊。

荷物も重くて登りでは息が上がる
けど、みんなとおしゃべりしたり、
高山植物の写真をとったりと、
楽しい楽しい時間です。

ちらほらとコマクサの花も
見るようになりました。

岩礫の中に健気に咲いています。

小さい株が多いけど、中にはちょうど
見ごろの大きな株もありました。

さすが、高山植物の女王たる風格です。
コマクサ
小蓮華に向かう稜線 12:00 小蓮華山頂の標識 13:00 三国境
だらだらと登りつめて、小蓮華山に着きました。  2007年から山頂部分が崩壊し
、岩や小石が積み重なっている南側にはロ−プが張られ、小蓮華山の山頂には立てなくなっています。
壊れて横向きになってしまった小蓮華山頂の標識(上の写真は45度反転して載せました)があるだけでした。

狭い山頂を後に、アップダウンしながら少しづつ下ると三国境に着きました。
14:10 白馬岳山頂(標高2932m) 白馬岳頂上宿舎のお花畑
朝、6時半から歩き始めて・・7時間40分・・・。
やっと今日の最高到達点である白馬岳に着きました。

曇りなので、遠望はありませんでしたが、明日は好天予報だし、明日朝イチで再びこのピ−クに立つので、
明日に期待して、白馬山荘へ〜〜〜。
ここは幕営できないので、さらに下って白馬岳頂上宿舎へと向かいました。

このあたりも以前はもっとウルップソウがあったような気がするけど、なんだか数が減ったように感じました。
テント場には、すでに30張りくらいの
色とりどりとテントがあり、2張り張れ
そうな場所を探すのもひと苦労!。

地面の石ころを丹念にどけて、やっと
テントスペ−スを確保しました。

テントを設営し、荷物を収めた後は
みんなで山荘に向かいました。

山で生ビ−ルの飲めるなんて、
なんて贅沢でしょう!。
えだまめをつまみに、それぞれ一杯づつ
味わって、テント場に戻りました。

ヘルシ−カレ−が仕上がり、
ソ−セ−ジも次々と焼き上がり、
持参した各種アルコ−ルで
大いに盛り上がりました(#^.^#)。
18:45 稜線上から 白馬岳、白馬山荘、白馬岳頂上宿舎、テント場
2日目 2010年7月18日
7:00 白馬岳山頂
夜は降ってきそうなくらいの星空が広がっていたようです。
暗いうちからテントサイトがザワザワしていたようですが、私たちの女性陣のテントは4時まで熟睡してしまいました。

テントを仕舞って、まずは、白馬岳まで登り返しました。朝から快晴で、朝の日差しも情け容赦なく燦燦と降り注ぎます。
山頂からの展望は360度申し分ありません。
日本海も能登半島も見えました。北アルプスは勿論!八ヶ岳や南アルプスまで、富士山も見えました。
ショウジョウバカマ ツクモグサ              コマクサ               
白馬岳から三国境まで降りていく道も
お花畑の宝庫です。

ザレた斜面にはコマクサやウルップソウ
が多く、たま〜に、終わりがけの
ツクモグサも見ることができました。

このツクモグサは八ヶ岳とこの白馬岳
周辺にしか見ることができない、
希少価値の高い花だと思います。

行く手には、昨日は霧で見えなかった、
昨日の軌跡を見ることができました。

「あの稜線をずっと歩いてきたん
だよね〜」

「よく歩いたわぁ〜!」
8:00 三国境から今日歩く雪倉岳〜朝日岳の山並みを見る 最初はザク道を下る
三国境まで降りてきました。ここで、昨日歩いた稜線とは別れを告げ、左側の雪倉岳方面への登山道へと入ってゆきます。
最初はザクザクの道を、鉢ヶ岳の鞍部まで下っていきました。 雪渓の中を歩いている登山者の姿も見えます。
進行方向に4〜5箇所の雪渓をトラバ−ス道が見える
道ばたにはコマクサやキバナノコマノツメ、などが咲いていました。
前方の鉢ヶ岳が大きく見えると、ここが鞍部で、鉢ヶ岳には登らず、その右側をトラバ−ス道が続いています。
まだ残雪がある頃はこのトラバ−ス道の通過に気を使うのですが、その雪渓は全部で5箇所ありました。
その鞍部あたりから、ミヤマムマサキ
がいっぱい咲いていました。

ミヤマムラサキは、北アルプスでも、
見られる場所は限られています。

南アルプスで、初めてこの花を見たのは
・・・千枚岳から丸山に向かう登山道。
登山道から少し離れた切り立った岩場の
隙間にひっそりと咲いていて、
その数もわずかでした。

人の手の届かない岩の中に咲くこ
の花を始めてみた時、
「高嶺の花とはまさにこの花だ!」
と感激したものですが・・・

こんなにたくさん見てしまうと、あの時の
感激はどうなってしまうんでしょう!。

ミヤマムラサキは私の大好きな花の
ベスト3には入りますね(#^.^#)

ミヤマムラサキ

【漢字名】深山紫
【花期】6〜8月
【分布】北海道・本州(東北,関東,中部)
【草丈】足首以下〜足首
【環境】高山・亜高山,岩場・礫地


ミヤマムラサキは,
高山の岩礫地に生える多年草。

鉢ヶ岳の巻き道を終えると、
雪倉岳への登りとなります。

この周辺にもミヤマダイコンソウや
チングルマ、ハクサンコザクラなどの
群生地があり、楽しませてくれました。

岩礫地には相変わらずミヤマムラサキ
がずっとむこうまで咲いています。

このあたりにもウルップソウが
数多くありましたが、花
はもう終わっていました。

たま〜にコマクサや、
キバナノコマノツメとタカネスミレが
混生していました。
ミヤマムラサキのお花畑が広がる タカネスミレ  チシマギキョウ 11:00 雪倉岳(標高2610m)
雪倉岳避難小屋でひと休みした後、少し傾斜が増した登山道をひと登りして雪倉岳山頂に着きました。
広い山頂には20〜30人ほどの登山者で賑わっていましたが、他の北アルプスに比べると、少ないかもしれません。
ミヤマムラサキ ミネウスユキソウ   ミヤマアズマギク
シロウマアサツキ シラネアオイ 赤男山の左側を巻いていく
雪倉岳を後に、再び下っていきました。ぐんぐんとかなり下ると、正面に見えるのは赤男山です。
この山には登らずに、道は赤男山の左側を巻いて付けられています。
13:10 ツバメ岩
巻き道に入ると、右手に巨大な岩が聳えています。
ここがツバメ岩で、岩場の道を過ぎると樹林帯の中に入ったり、残雪の中を歩いたりしました。
小さなアップダウンはあるものの、比較的歩きやすい道で、そろそろ水平道と朝日岳との分岐がある場所まできたようです。
13:45 小桜ヶ原
水平道は遅くまで残雪があるので、時期が早いと通行できません。
今年も残雪が多かったようで、朝日小屋の方々のおかげでやっと登山道の整備を終え、
ちょうど海の日の三連休の今日から通行可能となっていたのでした。
(この水平道が使えない場合は朝日岳を越えて朝日小屋に下ることになる。)

途中一箇所、『水平歩道通行できます』という看板があり、気にしないで道なりにそのまま進んだら、
その地点が朝日岳への分岐だったようで、巻き道をかなり歩いてから気がつきました。
そして小桜ヶ原に出たところで、すでに水平道を歩いていたことを確信したのでした。
水芭蕉 コバイケイソウ  ショウジョウバカマ サンカヨウ
水平道とは名ばかりで、実際は想像以上にアップダウンがありました。 
でも、雪解け直後の箇所があり、植生は多種多様です。水芭蕉やリュウキンカなどもいたるところで見ることができました。
14:45 残雪を歩く 15:30 朝日小屋
残雪沿いにはベンガラでマ−キングされていていますが、所々踏み抜きに注意が必要でした。
水平道に入って2時間弱。やがて、朝日岳からの木道と合流すると、その先が朝日小屋です。
朝日小屋の水場越しに白馬岳方面が見える 夕餉はとろろ汁
今日の行動時間は9時間半・・・。今日もたっぷり歩きました。
広〜いテントサイトにテントは昨日の半分以下!。周りは湿原で、とっても気持ちのいいテント場です。
蛇口をひねるだけで、いつでもおいしい水が利用できるなんてとっても幸せです。
幕営2日目だというのに、豚の味噌漬けやソ−セ−ジを次々に網で焼かれ♪♪♪
小屋で買ったビ−ルでとっても贅沢なプチ宴会が始まりました。

自分一人でのテント泊だと、一人宴会もすぐに終わってしまいますが、こんな時、山の仲間がいるって楽しいなと思います。
ちょっと喉も潤ったところで、今日のメシ当番は私!です。
軽量化をしようと思ったのだけど、ス−パ−に行ってひらめいた『とろろ汁』を作ることにしました。

昨日同様、アシスタントシェフに若者会員を指名!。
二人で仲良く♪♪♪、長いもの皮をむき、持参したおろし金で長いもを次々とすりおろし、
最後に味噌汁とあわせて 、たっぷりの とろろ汁ができあがりました (*^。^*)。
3日目 2010年7月19日
テント場の周りは湿原が広がる 小屋の周りはチングルマがいっぱい 5:30 朝日小屋を出発
3日目の朝も快晴です。

朝イチの行動は、目の前の朝日岳に登ること。

傾斜もありますが、所々、展望が利くところがあり、
まだ蒸し暑さのない朝の空気が心地いい。

約1時間弱で、今日の最高到達点である朝日岳に着きました。

雲ひとつない快晴の中、360度の大展望が広がっていました。

この感動があるから苦しくっても山に登れるんだな〜\(^o^)/
6:20 朝日岳(標高「2418m)
朝日岳山頂からの展望(正面が剱岳)
朝日岳山頂からの展望(白馬岳)
朝日岳山頂からの展望
吹上のコル手前はミヤマムラサキの群生地
朝日岳で大展望をひとしきり満喫したら、後はしばらく下りとなります。
朝日岳山頂もミヤマムラサキがいっぱい咲いていたけれど、この先もずっと見ることができました。
お花の向こう側には日本海が見えました。
7:00 吹上のコル 7:10 雪渓を通過する 7:20 雪渓が終わると木道の道
吹上のコルを過ぎると雪渓があり、この雪渓を下ると木道になりました。
歩きやすい木道からは、雪倉岳方面が大きく見えます。
ハクサンコザクラ 8:45 池塘にはワタスゲが揺れている 8:50 花園三角点
五輪尾根の池塘にはワタスゲが風に揺れています。こういう風景が大〜好き!。
湿地にはニッコウキスゲやアヤメなども咲いていました。
10:00 白高地沢の橋を渡る 11:00 瀬戸川の吊橋を渡る 12:45 蓮華温泉ロッジ着
道はその後もどんどん下り、沢の音が近づいてきました。白高地沢に架かる仮設の橋が、今日の最低鞍部となります。
右岸側の沢のトラバ−ス道は道が崩れていてガラガラ状態でした。

再び樹林帯に入ると下山の最終段階は残念ながら登りとなりました。標高が低いので蒸し暑くてもう大変!。
一時間後に二つ目の瀬戸川の吊橋を渡り、辛い登りを頑張ると、やっと木道になって蓮華の森自然歩道に入ってきました。
やれやれ蓮華温泉はすぐそこです。
蓮華温泉で3日分の汗を流し、帰途に着いたのでした。
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