2年前の夏、薬師岳縦走中に、いつも道連れに見ていた赤牛岳。
今年の夏、裏銀座を歩いていて、やはり右手に常に大きく横たわっていた赤牛岳。
すっきりとした稜線上に伸びる赤牛岳の山頂からは、どんな景色が広がっているのでしょう・・・。

むしょうに気になりだして、具体的にコ−スを考えてみました。
赤牛岳を縦走するなら2日目に水晶小屋に泊まることになります。
そこまでのアプロ−チとして、
@7月に下山ル−トで使った湯俣から竹村新道を登るル−ト。A折立から雲の平を経由して。B新穂高から鏡平〜双六へ〜。
このようなでの選択肢の中で・・・@は3日目が悪天の時のエスケ−プル−トになる。A折立までのバスが入るのは8月まで。
そんなこんなの消去法によって・・・Bの新穂高からの計画を組んでみました。
        
        
       
   
連続休暇取得の可能性と好天予報が続くタイミングを約1ヶ月ほど待って、やっと機が熟したようです。
朝3時過ぎに車で出発。穂高駅近くの登山者用の無料駐車場に着いたのが6時45分です。
ここから入山口となる 新穂高温泉までの大移動です。  まずは、7時20分発のJR大糸線で松本駅へ〜。
松本バスタ−ミナルからバスで平湯温泉へ〜。
起点3時10分出発―6:45着 穂高駅駐車場―7:20発 大糸線塩尻行きー7:47着 松本駅
松本バスタ−ミナル 8:35発 平湯温泉行きアルピコバス −10:00着 平湯温泉 10:40発―新穂高11:13着 
11:20 新穂高温泉から登山開始ー12:40 わさび平小屋―(小池新道)―14:05 秩父沢出合―
15:28 シシウドヶ原ー16:18鏡池―16:20 鏡平小屋(小屋泊)       行動時間 5時間
平湯温泉で再びバスを乗り換え、
新穂高温泉に到着したのが11時15分。
やっとスタ−ト地点に到着しました。

こんな遅い時間からの出発だと
鏡平小屋までが妥当ですよね。

鏡平小屋は幕営禁止だし
水晶小屋も幕営できないので、
今回は苦手な小屋泊(素泊り)
としました。

食料一式を担いでも、荷物が普段より
軽いのだけは ありがたいですね。
11:20  新穂高バスタ−ミナル  11:30左俣 双六岳・笠ヶ岳登山口
12:40 わさび平小屋 13:10  小池新道入り口 14:05 秩父沢
まずはほとんど傾斜がない左俣林道をひたすら歩きます。 1時間ちょっとで、左側の笠新道登山口を見送って、
わさび平小屋に着きました。人はまばらです。ちょっと水を補給して、すぐに出発。
河原に下りて橋を渡ると小池新道になります。ここからが登山道になりますが、岩の階段がずっと続きます。
盛夏ならこの岩場が灼熱地獄と化すのだけれど、曇っていて過ごし易い陽気なので快適に高度を稼ぐことができました。
14:55 イタドリヶ原 15:28 シシウドヶ原 16:16  鏡平はすぐそこ
同じバスに乗っていて、わさび平小屋でカツ丼を食べていた若者3名は 双六岳のテント場を目指すと言って追い越していきました。 
すれ違う登山者も数えるほど・・・。  昨日は 雨と風で、あいにくの天気だったと話していました。
小池新道はずっと歩き易い道で、難なく木道に出ました。
木道には『熊のおどり場』と書いてあって、あわてて周囲をキョロキョロ!。

もうすぐ鏡平! 鏡池がありました。
静かな湖面・・・その向こうの展望は・・・あいにく霧の中ですね。
鏡平小屋で受付を済まし、3階の屋根裏部屋に入りました。
荷物の整理を終え、食材一式を持って外のテラス席へ・・・
でもここは 人でいっぱいなので、鏡池の大きなテラスまで行ってしまいました。

ここでゆっくりと担いできたビ−ルを飲みながら、定番メニュ−の山メシで
一人宴会に興じました。
広い木製のテラスには、三々五々ここからの展望を見るために、
小屋から登山者が訪れていますが・・・
16:18 鏡池 16:20 鏡平小屋
そんな喧騒とはお構い無しに、自分の居場所を確保して、とっても贅沢な時間を過ごしました!
暗くなる頃 小屋に戻りました。 混み具合が気になっていたけど、
その部屋(5〜6人)は隣の人の布団との距離が十分にあって、快適な睡眠を得ることができました。
6:15発 鏡平小屋―8:15 双六小屋―9:40 双六岳−11:05 三俣蓮華岳−12:15 三俣山荘―
14:12 鷲羽岳―15:08 ワリモ岳―16:15着 水晶小屋(小屋泊)        行動時間 10時間
5:15  鏡池と槍ヶ岳と三日月と・・・       6:05 鏡平小屋と朝日を浴びた山々
自炊は小屋の外でならどこでもどうぞとのこと。≪早く寝る=早く目覚める=何もすることがない≫ので、とりあえず外に
出てみました。早朝はとっても冷えていて、そんなわけで、空気も澄んでいて夜空が綺麗でした。

昨日のおにぎりで雑炊を作って温まってから、暖かいコ−ヒ−を片手に鏡池に向かい、こんな情景をパチリ!。
小屋に戻ると、朝食を待つ人達の行列ができていました。 小屋泊まりはテントと違って、撤収作業が無いから大助かり!。
 あっという間に荷造りを済まし、出発の準備が整いました。
6:10  早朝の鏡池
でも、せっかく鏡平小屋に泊まったのなら、ここからの展望を再び見なければもったいない!。
今朝は随分冷えたけど、おかげで 山はこの通り朝から快晴です。 鏡池から明けゆく風景を楽しんでから小屋を後にしました。
6:40  双六方面に登っていく      6:40  弓折中段 の 池塘は 凍っていた       7:21 霜柱の道    
快晴無風の絶好の登山日和となりました。 少し歩いたらもう暑くなって、長袖Tシャツ一枚で充分です。
日差しはかなり強いので日焼け対策は万全に!。 もうここからは森林限界を超えた稜線歩きです。
弓折中段にある池塘は凍っていました。 前夜はかなり冷え込んだ模様!。
その先には霜柱もあちこちにあり、高山ならではの気象の厳しさを体感しました。
8:10 双六小屋が見えてきた 8:35 振り返ると西鎌尾根が見える 8:50  双六岳と巻き道の分岐
鏡平から2時間ほどで双六小屋に着きました。 本日の行程は水晶小屋まで・・・。
双六小屋からは、ピ−クを踏まないで三俣山荘まで行くこともできますが、この通りの秋晴れに恵まれ、
やはりピ−クハントしなければ勿体無いと思い、プラス2時間かけて、稜線歩きを楽しむことにしました。
まずは、双六小屋から双六岳を目指します。
9:40 双六岳(左側が黒部五郎岳) 双六岳山頂からの展望 進行方向に三俣蓮華岳 、左 薬師岳、 右 鷲羽岳
例えば・・・1泊2日で双六に来るのなら、この双六岳が目的の山の一つとなるでしょう。
360度、どこを眺めても北アルプスの明峰が眺められ、最高の景観が思う存分楽しめるすばらしい山だと思います。
双六岳山頂から 槍ヶ岳〜穂高方面の大展望 笠ヶ岳
 双六岳からの360度の大パノラマを楽しんで、次に向かう先は三俣蓮華岳。
左手に黒部五郎岳、薬師岳、右手に鷲羽岳を見ながら、強い日差しとさわやかな空気の中、絶景の稜線散歩が続きます。
11:05 三俣蓮華岳山頂
双六岳から1時間ちょっとで三俣蓮華岳に到着しました。
真っ青な秋の空ものと、すばらしいお天気に恵まれ、こんな絶景に出会うことができました。
天気予報では、今日は晴れだけど 明日は曇りや小雨・・・。
でも先ほど双六小屋でチェックした時には今日は晴れだけど、明日は晴れから雨マ−クになっていました(-_-;)。
明日が今回の山行のハイライトであるんだけど、今現在、ちょっと微妙・・・。
そんなわけで、一番天気のいい今日だからこそ、巻き道で時間短縮しないで、山頂からの眺めを見たかったんですよね。
三俣蓮華岳山頂でランチタイム 12:10 三俣山荘と鷲羽岳
三俣蓮華岳では、正面に鷲羽岳が見える所でランチタイム。 
入山初日、松本駅や平湯で待ち時間が多く、その都度荷物が増えちゃった!。 
プチトマトは平湯でバス待ちをしている時に買っちゃいました。荷物が軽かった分、あれもこれと欲しくなっちゃたんですよね。 
でもプチトマトのおかげで、4日間 野菜不足な思いをすることがありませんでしたよ(*^。^*)。

三俣蓮華岳でのんびり寛いでしまいましたが、まだまだ先は長いです。一旦下って、三俣山荘まで着ました。
今日泊まる水晶小屋は水場がないので、明日の分まで おいしいお水を補給することにしました。
全部で4リットル弱補給しましたが、テントが無い分、重さは感じません。
さあ、ここからが 今日一番の頑張りどころです。
14:05 鷲羽池
三俣山荘から鷲羽岳へは、約1時間半の登りとなります。 見ての通り、ずっと登りだけの道です。
前回、前々回と鷲羽岳を登らず黒部源流でエスケ−プしているので、鷲羽岳には な、な、なんと!10数年ぶりです。
ジグザグに無心で登っていくと、右手に鷲羽池が見えました。絶景です!。 山頂ももうすぐです。
14:12  鷲羽岳 山頂 黒部源流と雲の平も見える
以前、黒部源流でエスケ−プしたというのは、天気がイマイチだったということもあります。
午後になっても快晴で展望が利くのなら、このピ−クに立つ意義は大いにあるっていうもの。
黒部川源流の川の流れや 雲の平の広大な台地も すぐそこに見えています。
薬師岳 水晶岳方面     裏銀座 野口五郎方面
黒部五郎岳はもう遠くなり、いくつもの大きなカ−ルを持つ薬師岳がド〜ンと大きく鎮座しています。
進行方向には水晶岳が見えていて、その右手の白っぽい山は今年の夏に歩いた裏銀座の野口五郎の稜線も・・・。
その時の思い出もよみがえってきます。
ワリモ岳への登り 15:08 ワリモ岳頂上 15:25  ワリモ乗越
鷲羽岳の登りは終わったけど、まだ登りはありました。
一旦下って、再びワリモ岳に登り返し、ワリモ乗越を直進して、水晶小屋に向かいました。
16:15  水晶小屋 17:45  夕日に染まる野口五郎岳
夕方、やっと水晶小屋に到着しました。稜線上にある小屋なので、周囲の山々の展望は抜群!。
定員は40名ほどの小さな小屋なので、ここが満杯だと一晩不自由な思いをしてしまいます。
どこから来ても時間がかかるので、私の後からも宿泊者が続々と登ってきて、定員ほどの人数になったようです。

自炊場は、受付の前の狭いスペ−ス。 テント泊はできませんが テント装備の登山者も多く泊まるので
自炊する人の割合が多いんですよね。  寒いですが、メシ友を見つけ 防寒バッチリで外のベンチで晩酌タイムとしました。
外にいたおかげで、夕焼けに染まっていく山々も見ることができました。ここからのロケ−ションは北アルプスの中でも断トツ
◎!
17:49 槍ヶ岳 夕景 17:50 日が沈む瞬間
日が沈むまで、移りゆく雄大な景色を楽しみ、小屋に戻りました。
2階のメインスペ−スには布団3枚に4名が割り当てられました。夜7時だというのに横になっている人ばかりです。
一組がご夫婦だったので、私は布団1枚分のスペ−スをいただきましたが、すぐ横には知らない人の顔が近く、
常にあちらこちら寝息が聞こえ、熟睡できないまま長い夜になりました。(こういう環境がイヤだからテント泊がいいんですよね)
5:55 水晶小屋―6:40 水晶岳―10:40着 赤牛岳 11:20発―11:55 7/8 −12:47 5/8−
13:15 4/8 − 14:48 2/8 −15:33 1/8− 16:15 奥黒部ヒュッテ(小屋泊) 行動時間10時間20分
眠れないから早々に玄関の自炊場に移動。
外に出たら、な、な、なんと、空には落ちてきそうなほどの星が一面に散りばめられていました。
今年一番の絶景な星空となりました。 やはりプラネタリウムよりは断然輝きが違います!。
やがて朝焼けが始まり、小屋の外でご来光を拝んでから、出発することにしました。
5:35  山の一日が始まりました・・・ 5:55  朝日を浴びて出発!
3日目の天気予報は、最初あまり良くなかったので、期待していませんでしたが、まさかの快晴に恵まれました。
今日は いよいよ念願の赤牛岳の山頂に立つことができそうです。
6:13  水晶岳が見えてきました 6:40  水晶岳 山頂
まずは水晶岳までの登りで始まりました。岩場の道を歩いてワンピッチです。
水晶小屋からこの水晶岳を往復する登山者もいます。水晶小屋に泊まり、読売新道に行く登山者は私以外に2名居ました。

赤牛岳まで往復する人は暗いうちに出発していました。 というのも水晶小屋は昨日の宿泊が最終で、もう小屋じまいです。
帰りは水晶小屋の次にある小屋まで、それぞれ2〜時間ほど余分に歩かなければいけません。
手前が赤牛岳への稜線  左奥が薬師岳 6:50  いよいよ赤牛岳へ〜
水晶岳からは とっても美しい、流麗な薬師岳が見えます。 そしてこれから向かう赤牛岳も見えます。
ここから赤牛岳まではコ−スタイムで3時間ほど・・・。 見るかぎりそんなに時間がかかるのかなあ〜って感じがするのですが・・・。
7:00  思ったより険しい道のり 7:10 左下に高天ヶ原が見える
水晶岳からは下りとなります。ガレガレの急斜面をぐんぐん下っていきます。
まだまだ長丁場・・・ここからは登山者がぐっと少なくなるから単独行の場合は慎重に慎重に行動しましょう。
左下のぽっかり開けた場所にある あの屋根は・・・?  「あぁ〜そうか! 高天ヶ原が見えるんだ〜。」
     7:11           左 黒部五郎岳           手前が雲の平            右  太郎平
岩場のアップダウンの多い道です。目指す赤牛岳にはあまり近づいていかないし・・・
でも展望はバッチリです。何年も前から、あの赤牛岳の稜線を歩いてみたいと思っていただけに、
ここから見る景色は初めてみる景色ということになります。 角度を変えて眺める山々はとっても新鮮で楽しいものです。
    7:50   薬師岳がぐんぐん近づいていく                   8:00 近そうで遠い 赤牛岳・・・
やはり圧巻なのは薬師岳でした。三つのカ−ルをしたがえて圧倒的なボリュ−ムで迫っています。
2年前の夏、一ノ越から薬師岳を縦走した時のことを懐かしく思い出しました。
その時も天気が良く、北薬師岳で雄大なカ−ルに感動し、薬師岳で昼下がりののんびりとした時間を過ごした思い出が蘇ってきます。
あの時 ずっとながめていた読売新道を 今、歩いている幸せ (^。^)y-.。o○!。
      8:10  温泉沢ノ頭       その稜線の先に赤牛岳                           草紅葉・・・
高天ヶ原から続く温泉沢の登山道を、トレランらしき若者が2名あっという間に稜線に上がってきました。
そして水晶を超えていくのだと言って、 あっという間に駆け上がっていきました。
9:40  前山越えも大変!           10:23  いよいよ・・・・
ゆるやかな稜線の先にあるのが赤牛岳。あっという間に到達してしまいそうに見えるのに・・・?近そうで案外遠い赤牛岳でした。
途中赤牛岳をピストンした登山者とすれ違いました。 他は私よりもちょっと先を歩いている読売新道下る登山者が見えるだけです。 
岩のゴロゴロした前山を岩を飛び越えながら巻き、やっと山頂へと伸びる一本道になりました。
10:40  赤牛岳 山頂                                  裏銀座の稜線      
やった〜\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/・・・」 ついに念願の赤牛岳のてっぺんに着きました〜!。
すいぶん雲が多くなってしまいましたが、まだまだ展望はばっちりでした。裏銀座・・・今年の夏に歩いたっけな。
薬師岳
反対側には、ずっと見ていた薬師岳が ・・・デッカい〜〜〜(^O^)/
赤牛岳は北アルプス随一の大・大・大展望台って感じですね〜!。
中央に黒部湖と黒部ダム      立山  後立山連峰   針ノ木やスバリ岳方面  鹿島槍ヶ岳
これから向かう先の展望はこんな感じ・・・
黒部湖をアクセントに立山や後立山連峰などなど・・・今まで見られなかった景観が広がっていました。
人工物は黒部ダムだけ、あとは見渡す限り北アルプスの山々が連なっていました。
山頂に私ひとり・・・!

先を歩いていた登山者も もう下りに
入ってしまったようだし、私より後に
登ってくる人もいないはず。

水晶小屋が小屋閉めだから、
奥黒部ヒュッテから登ってくる人も
いないはずです。

こんな贅沢な山頂に居るんだもん。
たっぷり時間をかけてランチタイムを
楽しみましょう♪♪♪
コ−ヒ−を沸かし、スティックパンに
ディップソ−スを付けて!。
ミニトマトも大切に持っていますよ!

絶景を独り占めして 至福のひととき・・・

 (^。^)y-.。o○ (^.^)(^^♪・・・
11:00  たっぷり時間をとって ランチタイム! 
11:20  読売新道で下山開始 ガレ場を通過する 11:36 これから下る道が見える
ひとしきり マイタイムを楽しんで、そろそろ出発しなくっちゃ。
支稜の山々が連なっているど、下山はその方向ではなくて、東側です。正面に黒部ダムを見ながら下る尾根に向かいます。
ガレガレの急な斜面を下り、ガレ場の縁を歩いたりと、最初は悪路でしたが、これから歩く尾根がよく見えます。
11:55  7/8の標識 12:00  岩のオブジェとハイマツが美しい
35分ほど下ると赤ペンキで7/8の標識がありました。 奥黒部ヒュッテまでの道標のようで、この標識はいい目安になります。
岩を乗り越える道が続き、スリリングな登山道でしたが、日本庭園風の美しい景観で、景色を楽しみながら下っていきました。
12:20  景観が良くて変化に富んだ登山道             12:25  6/8地点 まだまだすばらしい景観が続く
相変わらず、黒部湖を行く手に見ながらの道が続きます。雲も多くなりましたが、周りの山々は見渡すことができます。
12:40  振り返ると赤牛岳が遠くになってしまったね!赤牛岳も見納め          12:44  そろそろ樹林帯に入ります
前方に樹林帯が近くなりました。これで赤牛岳は見納めかな?。振り返って見た赤牛岳はあんなに遠くなってしまいました。 
歩きやすい木道になったと思ったら次の標識が・・・
12:45   5/8 地点                           12:47  樹林帯に入りました     
5/8 地点が森林限界でした。  いい感じの木立の中を下っていくと、次第に道は険しく急な下りとなっていきました。
13:10  根っこ道の急な下り              13:15  4/8地点 木道もつかの間・・・再び急な下りとなる
木の根っこが張り出した急な下りが続きます。 木道もあって歩き易くなったと思ったら・・・湿地だから木道があるんですよね。
その後しばらくは ぬかるみの道を下りました。
13:27 苔付の岩場をぐんぐん下る        14:07 オオシラビソの道       14:34  木の根のオブジェがそこかしこ
所々に木の梯子もありました。苔付の岩場もありました。
 私の後に歩いている人もなく、水晶小屋が営業終了したから、この道を登ってくる人もいないでしょう。
奥黒部ヒュッテに着くまでは誰にも会わないはずだから、万が一怪我をするようなことがあっては万事休すです!。
長〜い下りなので、いつもより慎重に行動しました。
14:40  岩屋              14:48 2/8地点               14:50   梯子もたくさんありました
楽しいと感じた下りは5/8までで、樹林帯に入ると ただ長いだけ・・・。
昨日逆ル−トで赤牛を越え水晶小屋に泊まった登山者が数パ−ティ−あったんです。
行動時間は11時間から13時間と言っていたけど、この登山道を下ってみると、『ここを登るのなんて絶対に無理だよ!』って、
下っている間じゅう、そんなことを考えていました。
15:03 木の根っこ道をぐんぐん下る           15:33 1/8地点 傾斜も一服        16:15 奥黒部ヒュッテ
相変わらず険しい下りが続きました。1/8の標識を過ぎるとやっと道がゆるやかになり、ゴ−ルは近しと思っていたら、
最後はまた急な下りとなって奥黒部ヒュッテに到着しました。

小屋には同じル−トで下ってきた男性1名のみが今日の宿泊者でした。もう一人はテント泊です。
宿泊者が少ないので、私も広い部屋に個室状態で泊まれることになり、大喜び!。
小さいお風呂ですが、お風呂にも入ることができて、もう幸せ〜(*^。^*)
外で自炊しようとしたら、人が居ないから食堂でもいいよと言ってくれたので、暖かな部屋で最後の晩餐を・・・
ロング缶2本を奮発して!、管理人の親父さんと、もう一人の登山者と、ゆっくりとした時間を過ごしました。
7:00発 奥黒部ヒュッテ―9:10着−平の渡し 10:20発―10:40着 平の小屋方面―(黒部湖湖畔道)―
14:40 黒部ダムー15:05発−トロリ−バス停ー15:21着 扇沢   (行動時間 2時間+(渡船)+4時間)
16:00 発 扇沢→バス→信濃大町駅 (所要時間35分)ー16:35着 信濃大町駅 17:12発  
穂高駅17:40 着 
  
個室でした 6:10 小屋前のテラスで朝食 7:05 砂地の河原に出てスタ−ト
山小屋で12畳ほどの個室なんて、何てラッキ−!。昨日の睡眠不足もすっかり解消して、
テントよりも快適な一夜を過ごすことができました。翌日は暖かかったので、小屋の前のテラス席で朝食タイム・・・。

平ノ渡しの時間が10時20分と決まっているので、朝はたっぷりと時間があります。 
夕食時はビ−ルを飲むことに忙しく、写真に収めることを忘れてしまいましたので、せめて朝食の風景を・・・ 
ちらし寿司と、豚汁とプチトマトとお茶とコ−ヒ−でした。
7時になったので小屋を後にしました。
7:10  東沢に架けられた橋を渡る                7:30  左側に黒部川を望みながらアップダウンを繰り返す
まずは小屋の前を進み、砂地の河原に出てから右方向に進みます。河原横の道には秋の草花が咲いていました。
東沢に架けられた橋を渡って、左方向には黒部川の水の流れる音を聞きながら、なおも砂地の一本道を進みます。
20分ほど平らな道を歩いて、もう一回沢を渡ると 道は右岸を高巻くように付けられた登山道になりました。
7:45   木の橋が続く                       7:48  急な梯子を下る
今日の前半戦はこの右岸歩きの2時間です。出発地点とゴ−ル地点の標高はほとんど同じです。
でも水平道ではなくて、アップダウンの連続です。桟橋状の木の橋もよく整備されて危険はありません。
木の梯子もいたるところにあり、時には急すぎて後ろ向きにおりる場面もありました。
    8:00  沢水のすだれが美しい            8:02 リンドウの花もいっぱい             8:15  ブナが多い
沢水が流れていたり、リンドウや菊の花が咲いていたり、ブナ林があったりと変化に富んだ道でもありました。
8:22  黒部川はいつの間にか黒部湖なる            8:33  湖面のコバルトブルーが美しい でも道は険しい
しばらく歩くと、川の流れる音はいつしかなくなり、黒部川は黒部湖へと変化していきました。
9:00  ガレ場には木の桟道が付いている       9:10 平の渡し 渡船場        10:15 木の梯子を3段階で下り、船へ
何箇所かは崩落があるところで、桟橋もその都度架け替えられているようです。登山道の整備もご苦労なことです。
2時間ほど経った頃、平ノ渡しの分岐があり、遥か下の湖面に降りる梯子がありました。
ここを降りると先客のテント泊の男性がいました。
それから間もなく小屋泊まりの男性も降りてきて、3名で10時20分発の船を待ちながら しばらく歓談して過ごしました。
10:25 平ノ小屋が見える 10:25 渡船場からの登りは大変 10:40 黒部湖西岸の湖畔道
船着場に船が着き、またまた梯子を下って乗船。湖面をのんびりと漂って、対岸に渡してもらいました。
この船は関電の提供によるものだけど、ガソリン代と運転手は平ノ小屋からの捻出だそう。無賃で乗せてもらい恐縮です。
船から下りて、水平道に出るまでの <長〜い梯子、その後の急な階段の登り>が 今日一番の大きな登りでした。
そんなつらい登りの中、平ノ小屋は反対方向に3分なので、足がそちらへ向かえませんでした。ごめんなさい。
10:55  枝沢を何度も越える              11:20  大きなアップダウンもいっぱい
黒部湖西岸の湖畔道も先ほどの右岸も道と同じようなアップダウンの連続も道です。
湖は深く入り組んでいて、枝沢もたくさん入っているから、くねくねとしていて歩行距離は思ったよりも長いです。
さっきは2時間。こちらは4時間も・・・。 そして黒部ダムの標高とはあまり変わらないんですよね。
13:05 勝手に命名!
騙し岬からのロッジくろよん
13:27 枝沢を何度も越える 14:15 1時間以上かかって
ロッジくろよん前を通過!
湖畔道を歩き初めて2時間半。そろそろ飽きてくる頃です。 前回もがっかりしたのですが、
ここが私が勝手に命名した騙し岬!。  
ここから湖面の向こうに 『ロッジくろよん』 が見えますが、実際、あの建物に辿り着くのは1時間10分後でした。

『ロッジくろよん』 まで来るとゴ−ルはもうすぐです。

ここからは道がよくなり、カンパ橋まで来ると、観光客の姿もあります。
トンネルを抜けると黒部ダムが見えてきました。
ダムの上を歩いて左端を覗いたら、
観光放水も見られました。

なんの気なしに、右側の黒部湖側に
目をやると、
黒部湖の奥に聳える大きな山・・・

何だろうと一瞬考えましたが、

そうでした。(^。^)y-.。o○
黒部ダムから黒部湖越しに
見えていた山・・・

あれが赤牛岳だったんですね。
(^。^)y-.。o○
あんなに遠くて高い山から降りてきたんだ
と思ったら、何か感動してしまいました。
14:40  黒部ダム
黒部ダム駅に着き、15時5分発のトロリ−バスで扇沢に向かいました。扇沢から信濃大町行きのバスは16時発でした。
30分ちょっとバスを待って、信濃大町駅に着いたのが16時半過ぎです。
ここでも40分ほど電車を待って、穂高駅に着いたのが17時40分でした。

登山の醍醐味は縦走だと思う 今日このごろ・・・。
入山・下山のアプロ−チも考えなくてはいけないけど、計画を立てるのも楽しいものです。
そして アフタ−登山がこの記録・・・やっと今年の北アルプスも完結した感じです。
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