花の浮島  礼文島・利尻島                
part 1  礼文島
2011年6月22・23日
この日は午前中、礼文島の桃岩展望台コ−スや礼文林道を歩き、
お昼に香深港で海の幸たっぷりのラ−メンを食べてから、
13時5分発のフェリ−に乗って鴛泊港(利尻島)に向かいました。(13時45分着)

フェリ−から降りる際、昨日礼文島のバス乗り場で一緒になった女性2名に、
タイムリ−にお会いしました。
今日は利尻島に行って3時間ほどの定期観光コ−スで 利尻島を一周すると言っていた
けど、この時間からだったんですね。

私も宿に入るまでの2〜3時間で 港周辺を散策しようと思っていたけど、タイミングよく
島を一周できる観光バスがあるのなら、是非観光名所を巡ってみたいものです。
フェリ−の発着する時間に合わせて観光コ−スが用意されているんですね。

早速切符を買って(3150円)、14時出発のバスに乗り込みました。
これで利尻島での3時間を有意義に過ごせそうです。
14時発 定期観光Bコ−ス
姫沼
ガイドさんも乗っているので、車中では礼文島の観光や自然などの話しをしてくれて興味深く聞く事ができます。
鴛泊港を出発して10分ほど・・・時計周りに一周するコ−スでまずは姫沼に着きました。
静かな湖面にはウミネコが群れをなしていました。姫沼の遊歩道を一周してバスに戻りました。
ガイドさんがウミネコとカモメの違いや、トドマツやエゾマツの違いを教えてくれたけど、すぐに忘れてしまいました(-_-;)
オタトマリ沼から見た利尻山  (銘菓・白い恋人のパッケ−ジの写真はここから見た利尻山です)
バスを乗る頃には小雨がパラパラしてきました。港周辺で散策していたら雨に降られてしまいましたね。
バスで移動できて大正解!。
利尻山が間近に見える所を走っているのに、その方面はグレ−の雲の中・・・。
でもそのうち、頂上付近だけ見え隠れしてきました。
雨はしっかりと降るようになってしまったけど、不思議・不思議・・・利尻山がその全容を現してくれたんです。
バスはグットタイミングで、次の目的地であるオタトマリ沼に着きました。
ここでは大型観光バスが数台止まっていて、2箇所のドライブインは観光客でいっぱいでした。
フェリ−を降りて一斉に観光ル−トを回るから、どのツア−も重なるんでしょうね。
礼文島・利尻島を回って、やっとここで利尻山を見ることができました。うれしいです
利尻山は見る方向が変わると山容もまったく違いました。
「明日はあの山に登るんだな〜・・・手強そう!」 ちょうどこの反対方向から登るんですよね。
仙法志御崎公園から見た利尻山
次に向かったのが
仙法志御崎公園です。

ここからは海越しに利尻山が
見えるのがいいですね

観光バスも多いけど、お土産屋さんも
多く、本場利尻昆布を扱うお店だらけ。

ゴマフアザラシに餌やりが
できる水槽もありました。

海岸まで行ってみたら、柔らかそうな
昆布がいっぱいユラユラ海面に
漂っていました。

バスはあと半周走り、バスの車窓から
弁天様や面白い形の岩を眺めて
鴛泊港に戻ってきました。


そして港から宿までは地図を見ながら
歩いて向かいました。
ゴマフアザラシのプ−ル
思ったよりも大きくて、
まだ新しい宿でした。
一人用の部屋を予約したけど、
空きがあったようで、ひとまわり大きな
部屋を用意してくれてました。
ラッキ−!。
明日の登山のに備えて、計画書や
携帯トイレの説明をうけてから、
早速温泉に向かいました。

登山者が利用する宿なので、
この日も14名パ−ティ−の
団体さんも来ていました。
旅の宿 しらかば
宿の夕食  海の宝石箱を堪能!
温泉にも入り、登山計画書も書いて 夕方の6時。 待ちに待ったお楽しみの夕食です。
このお宿は一泊二食(朝食はおにぎり)で8550円と、とってもリ−ズナブルなのに、ここまで夕食が豪華でいいのかしら!(*^。^*)
ウニはここでもエゾバフンウニです。 きらきらとイクラも輝いています。 ほっけの煮物も脂がのって美味しく、
鍋の帆立の稚貝も身の味が濃くってビ−ルもすすみます。 ご馳走さまでした(*^。^*)
6月24日    利尻山登山
翌朝は3時過ぎに起きました。カ−テンを明けると外はうっすら明るくなっていてビックリ!
昨日から相変わらず風が強く吹いていて、曇り空です。利尻島の宿は登山口まで送迎(無料)してくれるので助かります。
下山後も電話一本で、迎えにきてくれて、そのまま鴛泊港まで送ってくれるので、余分な荷物は宿に置いていくことにしました。
朝4時、14名の登山者と車に分乗して、車で5分ほどの北麓野営場の登山口に向かいました。
4:05 管理棟を出発(標高224m) 4:15 甘露泉
車から降りて、管理棟の登山ポストに計画書を投函して、いよいよ登山開始です。
天気は曇りで、風は相変わらず強く、気温も低いので雨合羽の上着は着ておきました。
平らな道を10分ほど歩くと甘露泉があり、これより上には水場がないのでここで補給していきます。
甘露泉からちょっと歩くと3合目(標高270m)の標識がありました。
4:55 5:18
登り始めてしばらくは、なだらかな道が続きます。4時45分に4合目野鳥の森(386m)の標識がありました。
トドマツやエゾマツなどの針葉樹林が多く小鳥の囀り以外はとっても静かです。
自分のペ−スで歩き続けます。少し明るい雰囲気になって、周囲の樹木も変わってきました。
ダケカンバの林の足元にはマイズルソウが いっぱい いっぱい 咲いていました。
5:18  大きめのマイズルソウ 5:20 5合目(610m)
利尻山の標高は1719mで標高差約1500mもの大きな登りです。
1時間15分かけてやっと標高610mまで登りました。でも・・・まだ標高差1100mもあります。ファイト!
5:42 6合目(760m) 風雪に耐えるダケカンバ            6:00 シロバナエンレイソウ
第一見晴台までやってきました。名前通りに展望が開ける所でしたが、しっとりと霧に包まれ展望はありません。
小雨もぽつぽつ降り出して、暑くなるどころか 寒くなるばかりです。
持ってきた手袋はダ−ス売りの安価な軍手だったので、雨に濡れて手が かじかんで冷え切ってしまいました。
標高が上がるにしたがって 気温は下がってきているので寒い寒い・・・。
足元には純白のシロバナエンレイソウが咲いていました。 
霧が出て幻想的な雰囲気の中で咲く 真っ白で清楚な花にほっと心が和みます。
6:03 7合目(895m) シロバナエンレイソウがいっぱい 6:53 8合目 長官山(1218m)
歩き始めて2時間後、7合目まで進みました。胸突き八丁の標示通りに傾斜も出てきました。
ダケカンバの木が多く、枝の張り出しが気まぐれです。
足元ばかり見て歩いていると、頭によく枝が当たり、痛い思いをしてばかり・・・。
小雨もまだ降っています。風も強く吹き荒れていて、湿ったカッパで手も体も冷えてきます。
8合目は長官山です。晴れていれば ここから利尻山の山頂が見えるのですが、一面真っ白・・・・
寒いのでその先の避難小屋に急ぎましょう。
悪天時には小屋がありがたいです。
先ほど追い越していった
単独女性が先客でした。

この小屋の隣にトイレブ−スがあり、
携帯トイレセットを試してみました。
紙オムツのような四角のシ−トが
入っていて吸水する仕組みでした。
2重のビニ−ル袋に密封して、
登山口にある回収BOXまで
お持ち帰りするんです。

雨と風で体が冷えています。
再び小屋の中に入りました。

携帯トイレ 7:05 利尻岳山小屋
これから上は樹林も低く、強風でますます気温も下がりそうなので
、合羽の下にありったけの服を重ね着しました。 小屋で20分ほど休憩して、再び登山開始です。
7:43 7:46 ハクサンイチゲ
小屋を出て20分ほど歩くと、腰丈ほどのハイマツ帯になってきました。急傾斜ですが、所々階段が組まれて、
歩き易くなっています。このあたりから高山植物が出始めました。 標高的にもガスに包まれて展望がありません。
晴れていたら 青空と利尻山と青い海が 見えるのにと考えるとテンションも・・・・・($・・)/~~~

でもこんなにみずみずしい高山植物 が見られると、気分だけは晴れ晴れしてきました。
この先はどんな風景が待っているのかなと、こんな天気でさえもワクワクしてきます。
初めて登る山の楽しさは、未知との出会いでもあります。
エゾキスミレ?   キバナノコマノツメ?                  7:56 9合目 ここからが正念場の表示が
風は相変わらず強く吹いていて、その風のゴ−ゴ−いう音ばかりが耳につきます。
吹きっさらしだと恐怖を感じるとこですが、ハイマツが腰の高さまであるので安堵しました。
雨はいつのまにか止みましたが、視界がないまま9合目に着きました。
このあたりからグズグズの火山礫を歩くようになりました。
標識通りに ここからが正念場で、傾斜も増し 歩き難い道になるようです。
8:13  エゾエンゴサク群生地
エゾエンゴサクの花が出始めました。あっちにも、こっちにもと探しながら歩いていると、こんな光景が待っていました
青の妖精がいっぱいです。 エンゴサク自体をあまり見る機会がなかったので、この光景は驚きでした。
水色がかった青紫で、とっても儚げで繊細な春の妖精。 この風景が利尻山で一番印象に残っています。
8:17 雪の結晶・・・
道はどんどん険しくなり、歩き難い火山礫の登りです。
風が強く吹き付けると、不安定な火山礫の道では踏ん張りがきかず、よろけることもしばしば・・・。
利尻山ならではの風の洗礼を受け、晴天時では味わえない自然の厳しさを体感しました。

でも あたりは・・・こんな天候だからこその風景になってきましたよ。
下の雨はこの標高では雪だったようです。
霧の中から雪の花の結晶が浮かび上がっています。せっかく咲いた高山植物の花も凍ってしまいました。
こんなに厳しい自然の中で花を咲かせているなんて何て強さでしょう!。 美しいものは強いんですね。
8:33 沓形登山コ−スの分岐 グズグスの火山礫 8:50 キバナシャクナゲも凍えてます
グズグスで崩れ易い道を登っていくと沓形登山コ−スの分岐がありました。そちらのコ−スには
まだたっぷりの残雪がありました。  キバナシャクナゲの花も咲き出しました。でも花はこの通り・・・凍ってしまいました。
そういえば、雨粒の付いた合羽もうっすら凍っていました。気温は氷点下なんでしょうね。
8:57  もうすぐ山頂だよ〜 エビのシッポ状態です
私の先を歩いていた、単独の女性と
男性が相次いで下りてきました。

避難小屋で言葉を交わした時と違って、
とってもはればれとしたいいお顔でした。

登頂の喜びに天気は関係ありませんね。

午前9時、歩き始めて5時間後に
ついに山頂を極めました。

祠の前で、無事登頂に感謝!。
「ありがとうございました。」

まわりはガスに包まれて、海どころか
南峰もロ−ソク岩も見えません。
利尻山の山頂に私ひとり・・・
何て贅沢な時間でしょう。
9:00  利尻山  〜9:20   (標高1719m)
風の来ない場所に座って、朝宿でもらったおにぎりを頬張りました。塩がきいていて美味しかった。
20分ほど山頂でのんびりしましたが・・・天気も変わらないから そろそろ下山しましょう。
最後にもう一度 祠の前で手を合わせ・・・「また来れますように・・・晴れた日に!」
11:03 11:50  一気に天気が回復!
20分ほど下り、沓形登山コ−スの分岐あたりから、登ってくる登山者とすれ違うようになりました。
10名以下、10数人のパ−ティ-が5組ほどと、20〜30分ほどの間に相次いですれ違いました。
きっと皆さん登山口を4時過ぎくらいに出発してきたんでしょう。
相変わらず強い風が吹いています。第二見晴台でも展望がないまま ひたすら下り続けます。
下り始めて2時間半、天候が急激に回復してきました。雲が切れた途端に前方に青い空と真っ青な海が広がりました。
11:56  山頂は雲の中・・・ 12:00 6合目
山の上部を見上げると、山頂部分にだけは雲がかかっているけど、広大な山の裾野や残雪が見渡せました。
12:06  礼文島が見える 12:22  5合目
久しぶりに見た青空に感激!。 正面には礼文島が見えてます。
日差しのある樹林の中も 朝の風景とはまったく違って見えます。  最後に晴れて良かった(*^。^*)
4時間かけて登山口に戻ってきました。
利尻山登山の所要時間は9時間15分。
たっぷり歩きましたね。

管理棟で下山報告書をポストに入れ
ようと思ったら、この時間は係りの
方が駐在していました。
利尻の風のことや、残雪が多かった
ことや、花も遅れていることなどを
話してくれました。
そして携帯で宿に電話してお迎えを
頼み、そのままフェリ−乗り場へと
送っていただきました。

フェリ−乗り場には13時50分に到着。
しばらく列に並んでから乗船しました。
13:20 北麓野営場に下山 鴛泊港 14:05 出航
船内は空いていたので、ゆったりとソファ−を占領して、パッキングをし直し、落ち着いてから売店に行って水分補給の
サッポロクラシックを購入・・・。  窓から大海原を眺めながらゆったりとした船旅を楽しみました。
稚内港には15時45分に着きました。 今日の行程はまだまだ続きます。
稚内港を16時40分発の都市間バスに乗って、札幌に向かいます。
バスは途中で休憩ポイントがあるので、そこで軽食や缶ビ−ルなどを買って、快適なバスに身をゆだねます。
中盤は日本海を見ながら走っていました。  
すっかり夜になって10時半。ついに札幌に着きました。
駅前のホテルはANAスカイホリデ−のパックに含まれていて、上等なホテルです。
翌朝、新千歳空港に向かい、10時出発の飛行機に乗って、12時に静岡空港に戻りました。
デ−タ
ANAスカイホリデ− しずおか〜な北海道  静岡空港⇔新千歳空港往復+ホテル一泊付き  34800円
札幌⇔稚内 都市間バス 往復運賃  11000円
稚内→礼文島→利尻島→稚内  ハ−トランドフェリ− 3回乗船  5240円
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