熊野古道 と 熊野三山
2012年3月8日〜11日
今年の冬は寒かった・・・(>_<)    
寒さに負けて冬眠中でしたが、春の青春18きっぷが始まるからそろそろ活動開始しなくっちゃ!。
季節や目的などを念頭に、行き先を≪世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道≫、熊野古道を歩いて熊野三山詣に決めました。 
熊野古道は何年か前に本宮から小雲取越え・大雲取越えで那智山に詣でたことがあり、今回は2回目です。 
今回は少し時間をかけて、熊野三山を歩いて巡ることにしました。
そして数ある参詣道から、伊勢路・小辺路・中辺路と少しづつ歩いてみました。

▲ 伊勢路  馬越峠  (スタ−ト 相賀駅 ・ ゴ−ル 尾鷲駅)
▲ 小辺路  十津川温泉(蕨尾口)〜果無峠〜八木尾〜熊野本宮大社 
▲ 中辺路  熊野本宮大社〜大斎原〜大日越〜湯峰温泉(泊)
▲ 中辺路  新宮〜速玉大社〜神倉神社〜王子ヶ浜〜浜の宮王子〜大門坂〜那智山
▲  伊勢路  花の窟神社〜七里御浜〜松本峠  (有井駅〜大泊駅)
1日目 3月8日 ▲ 伊勢路  馬越峠  (スタ−ト 相賀駅 ・ ゴ−ル 尾鷲駅)

起点を始発の東海道線に乗って、まずは名古屋まで向かいました。
名古屋から尾鷲方面に向かう場合、JRでは関西本線〜紀勢本線へと乗り換えます。 しかし本数は少なく時間のロスが
大きいので、青春18きっぷにこだわると、時間がかかりすぎて歩けなくなってしまいます。
特急電車や私鉄を使う場合の経費
なども比較して、南紀高速バスを使う
ことにしました。

名鉄バスターミナルで紀北町海山まで
のきっぷ(3000円)を買って、8時50分発
の勝浦温泉行きの高速バスに乗りました。

ガイドブックによると、始点と終点が駅
だったので、相賀駅に近いバス停が
≪紀北町海山≫のようでした。
ここでバスを降りましたが、「スタ−ト地点
の相賀駅はどっちにあるんだろう???」 
とりあえずバスの走り去っていった国道を
歩き、旧道に入ったら、熊野古道の標識
を発見!。やれやれこれでスタ−ト地点
にたどり着きましたョ!。 
8:50 名鉄BTから 高速バスに乗る。 11:36 紀北町海山バス停で下車  熊野古道の標識を発見!
11:43  相賀神社 12:00  道の駅 海山(みやま)
まずは、相賀神社で旅の無事を祈願していきましょう。 それから市街地を抜け、銚子橋を渡ると国道42号線沿いに歩きました。
道の駅 海山(みやま)に立ち寄って、お弁当を買い、それからもう少し歩くと・・・
12:25 熊野古道 馬越峠(まごせとうげ)登山口     12:30 美しい石畳がずっと続く    12:37 古道歩き用道標
馬越峠への標識が見えてきました。ここからいよいよ古道歩きです。
馬越峠は伊勢路一、古道の面影が残っている所らしく、なるほど最初から美しい石畳がずっと続いていました。
12:45 夜泣き地蔵           12:50 シダと杉と石畳         13:25 馬越峠の茶屋跡
天気はまずまずで、お手軽に歩ける古道なので、若者のグル−プも目立ちました。
杉や檜の美林と、青々としたシダ類が石畳の道にマッチして、風情あふれる景観が楽しめました。
約1時間ほどで馬越峠に着きました。ここは紀北町海山地区と尾鷲市との境目にあたる便石山と天狗倉山の間に位置します。
13:27 馬越峠から 天狗倉山へと向かう       13:43 険しい山道の連続       13:55 山頂の祠   
馬越峠から 約30分と標識のある、天狗倉山へと向かうことにしました。  けっこうな登りの連続で、
段差の大きな石段を登ると、巨大な岩が見えてきました。 巨石を回り込むと不動明王像が祀られた小さな祠がありました。
14:00  天狗倉山山頂へは鉄の梯子で登る        尾鷲の町並みと尾鷲湾と港が見える  めはり寿司
巨石には鉄の梯子がかかっていて、これを登ると展望が開け、尾鷲の町並みと港と、尾鷲湾が見えました。
ここで大休止。ちょっと遅めのランチタイムです。先ほどの道の駅で買ったのは、熊野古道名物のめはり寿司です。
寿司とはいうものの、塩漬けの高菜が巻いてある大きめのおにぎりで、(白米のものもあるけど)、
これはじゃこや鰹節などが入った味付けご飯で、とっても美味しかったぁ〜(^。^)y-.。o○
14:40  馬越峠まで戻り、尾鷲に下山開始             下りもずっと石畳の道が続く
お腹も元気になって、もうひとがんばり!。馬越峠まで戻って、今度は尾鷲方面に下っていきます。
こちら側も美しい石畳の道が続いていました。 
14:50  標識                14:55  桜地蔵             15:15 馬越峠入り口の標識  
雑木の道を下っていくと、沢の向こう側のレンガの祠には小さな桜地蔵が祀られていました。 
それからほどなく、整備された広い公園の敷地に入り、馬越峠入り口の標識がありました。
15:47   尾鷲の街中を歩く               銭湯の跡            16:22 ゴ−ルは尾鷲駅
大きな墓地の敷地の中を下り、尾鷲の街中に入ってきました。
尾鷲駅から乗る電車の時刻まではまだ時間があったので、街中散策をしてから(おわせお魚市場おとと)まで
足を伸ばしてみることにした。途中、中学生ぐらいの男子も女子も、みんな挨拶をしてくれるのがとても新鮮で爽やかでした。
尾鷲駅を17時13分発の紀勢本線(新宮行き)に乗って、宿泊地である終点新宮に向かいます。
紀勢本線は単線で、走行距離のわりに時間がかかるのは、駅での待ち合わせ時間が多いんですね。
暗くなくまで車窓から海を眺め、
2時間弱。

新宮駅に着いたのは夜の7時です。

目の前が今日泊まる
ビジネスホテルでした。
チェックインしてから、明日乗るバス停
の位置を確認し、5分ほど歩いたところ
にあるス−パ−(オ−クワ)に買い物に
行きました。

ここで今晩の夕食とビ−ルと明日の
朝・昼用の食糧を調達。
惣菜類はすでに割引価格で、しめて
1500円也!。節約旅には有難い

ホテルに戻って晩酌タイムです。
19:00 新宮駅に到着         ス−パ−で買った惣菜で晩酌タイム
2日目 3月9日
             ▲ 小辺路  十津川温泉(蕨尾口)〜果無峠〜八木尾〜熊野本宮大社
            
▲ 中辺路  熊野本宮大社〜大斎原〜大日越〜湯峰温泉(泊)

新宮から十津川温泉へむかう路線バスは、1日3本のみで しかも午前中のみです。 何故かって・・・?
終点の近鉄八木にはなんと6時間半もかかるという、日本1長い路線バスなのですね。
バス(奈良交通)の始発の5時53分に乗りましたが、乗客は私ひとり。
その途中から学生さん達も乗り込んできました。

熊野川沿いの国道は至るところで工事が行われ片側通行になっていました。
欄干には流れ着いた木などがそのままで、その高さまで川の水が溢れてしまったことがわかりました。
川湯温泉〜本宮大社前を通り過ぎると奈良県へと入ってきました。十津川は渓谷となって遥か下を流れていました。
7:55  蕨尾バス停で下車 橋本橋を渡る                 8:10  果無峠(はてなしとうげ) 登山口
約2時間バスに揺られ、台風の被害を車窓から見て、十津川温泉が近づいてきました。
その手前のバス停でバスを降り、『はて?私はどこへ歩き始めればいいのかしら??』と、ここでも右往左往しながら、
さっき渡った赤い橋を戻ってみました 。渡った先を右折して、少し上ったところに登山口を見つけました。
8:50 果無集落                     高台の集落には水田もある   水が豊富のようです
やれやれこれで一安心。 ここからは登るのみです。 
すぐに石畳の道になりましたが、かなり急な道です。


今日はあいにくの雨。雨具をフル装備して、傘もさしての峠歩きです。

ウグイスの囀りと雨の音だけの静かな山歩き。
40分ほど頑張って登ると果無の集落に出ました。
車道も上がっているので、ここまでも車で来れますが、
懐かしい山里の景観が残り、水田もありました。

果無峠の道には「西国三十三体観音石像」が祀られていて、
観音様を拝みながら古道歩きが楽しめるというのが情緒があります。


33・32・31番はこの古道沿いにはないので、果無の集落に佇んでいる
第30番観音からが最初の観音様ということになります。



小辺路は、高野山と熊野三山を結ぶ最短路です。

大辺路・中辺路・小辺路と呼ばれる熊野参詣道の中でも、
山深い紀伊山地の中央部を南北に貫いて熊野三山を目指していたのが小辺路。

全長72kmの中には標高1000mを超える峠が3つあり、
今回歩いたのはその3つ目にあたる果無峠です。

去年の秋の台風12号の災害により、それより北側の峠道はまだ
通行不能の箇所もあるようです。

8:51 第30番観音
9:06  集落を抜けた所にある標識         9:08 第29番観音         9:15  石畳が残っている
集落を抜け、車道を横切ると再び登山道となります。ここから先は「西国三十三体観音石像」が見守ってくれる登山道です。 
道は所々石畳が敷かれ、ずっと登りですが、歩きやすい道が続いています。
9:22 第27番観音   9:28 第26番観音  9:43 山口茶屋跡  10:09 第23番観音  10:26 第21番観音
観音様を拝みながら、静かな一人歩きが続きます。どの観音様にも香花?が活けられ、大切に守られていました。
10:28 ひたすら登る     10:36 観音堂      10:51 第20番観音       11:16 端整な杉林
バスを降りて歩き始めてから2時間半。雨は止むこともなくずっと降り続いています。
観音堂の軒下を借りてここで大休止です。ここには簡易トイレもありましたが、見た目よりも使えました。
観音様はまだ20番、まだまだ先が長いです。
  11:35  第17番観音         11:36  果無峠               11:50  道はゆるやかな下りとなる
峠までは急な登りの階段が続き、やっと果無峠に着きました。  標高は1114mです。
スタ−トの橋本橋の標高は100m強だから、標高差で1000mの登りということでした。これは本格的な山登りコ−スでしたね。
11:54 第15番観音      12:07 第14番観音      12:16 第13番観音     12:22 第12番観音
登りの傾斜より下りの傾斜のほうがゆるやかに感じました。12番の先に三十丁石という石碑もありました。
たま〜に山並みが見える箇所もありますが、雨のために遠望も利きません。
    12:39  八木尾まで2・0kmの標識
幽谷深山の峠歩きが続きます。シダ類も雨で活き活きとしていました。
2:53  雑木の道   12:54 第7番観音   13:00 第6番観音    13:08 階段状の下りが続く
道ばたに 8・7・6番観音の標識があるものの、観音さまはどこ?・・・道から少し上がった土手の上にありました。
13:24 第3番観音   13:16 第4番観音      13:25  八木尾まで0.3mになった       13:28 第2番観音
残り少ない観音様を数えながら、やった〜ゴ−ルはもうすぐ!
13:33 八木尾   13:39欄干の標識    14:10 道の駅奥熊野古道ほんぐう    14:22 R168から右側の脇道へ
熊野川が見えると ここが八木尾で、果無峠越が終わりました。  結局雨は止むこともなくずっと降り続いています。
果無峠越では、誰ひとり 会うこともありませんでした。
でも古道歩きはまだまだ続きます。橋を渡って、しばらくは国道沿いの歩道を歩きます。トンネル状の道だけが、
唯一雨宿りできた場所で、ここで腰をかけて、昨日ス−パ−で買っておいた寿司を広げてやっと遅いランチタイムを!。
その後、道の駅に寄ってから、その先で右側の脇道に入りました。
14:40 三軒茶屋跡 ここから中辺路となる    14:51 いよいよ本宮へ    15:02中辺路の指導標
車道を上がり、その先の標識で左の山道に入ると、休憩舎が見えます。
ここが三軒茶屋跡で、くまのみちの石碑もありました。  ここからは中辺路になり、本宮大社はもうすぐです。
15:03 石畳の道               15:18 民家が見えてくる    15:20  住宅地を歩く
本宮が近いのに、ここを歩いている人もいませんでした。民家に出て、祓所王子を過ぎると、本宮大社の裏鳥居をくぐります。
15:28    熊野本宮大社公式サイト
大社の裏側から回りこむと、やっと目的地に着きました。
一日かけて大きな峠を越えて、やっとたどり着いた熊野本宮大社では 万感の思いがありました。
厳かな気持ちで手を合わせると、波長が合ったような神聖な感覚をもちました。
15:32  熊野本宮大社 (この門をくぐると撮影禁止)
この門をくぐると、荘厳な社殿が広がっています。ここは三山の中で一番好きな大社でした。
神門の奥には、西御前と入母屋の相殿、証誠殿、本殿、若宮と四社殿が並んでいます。
4日間の古道歩きで一番印象に残ったのは果無峠でした。
ずっと小雨が降る中、山道では誰一人とも会わず、雨の音だけがずっと一緒でした。
観音様を拝みながらの古道歩きは、登山的な要素が大で、登山愛好家にはぴったりの美しい道でした。
この時には比較できなかったけど、果無峠の道は台風12号の被害をあまり受けていなかったように感じました。
やっとたどり着いた熊野本宮大社に詣でた時の厳かな気持ちが、四日間の古道歩きで一番印象的深いものでした。
15:55 大斎原(おおゆのはら)へ向かう大斎原の大鳥居         16:10 168号線から大日越の道に入る
本宮でご朱印をいただき、石段を降りて鳥居をくぐり、次は大斎原に向かいました。
大斎原の大鳥居が見えてきました。どれだけ大きいかは、人物との対比でおわかりでしょう。
本宮大社は以前ここにあったのですが、明治22年の大洪水で流失し、現在の高台へと遷座されたとのことです。
ここも去年秋の台風12号の被害にあい、地元の方々によって復興が進んでいました。
 大斎原の敷地を抜け、国道に戻ると、今日最後の行程である大日越が待っています。
▲ 中辺路  熊野本宮大社〜大斎原〜大日越〜湯峰温泉(泊)
16:15  大日越登山口             民家の横の石段を登る
民家の横の石段を登ると、ずっと登りの連続でした。 ここで下ってきた外国人カップルとすれ違い、
これが今日の古道歩きで行き会った唯一のハイカ−でした。
  16:30  ずっと登りだよ〜                                  16:56  鼻欠地蔵
階段状の道や石畳の道の険しい登りの連続でした。 最後の最後まで楽させてくれないネ〜(ToT)/~~~
やっと道が緩やかになり、上部が開けた感じになると右側に、ほとんどお姿がわからいくらいの鼻欠地蔵が
石に掘り込まれていました。 ここまでで40分、この先はもう下るのみで、ほどよい傾斜でぐんぐん高度を落としていきます。
17:17 湯峯王子           17:30  湯の峰温泉
温泉の香りがしてくると、もうすぐゴ−ルです。湯峯王子を過ぎて石段を下ると湯の峰温泉に着きました。
湯の峰温泉は日本最古の鄙びた温泉地といわれます。
公衆浴場でつぼ湯に入れるか聞いたら、今は空いているとのことでした。
規模は小さいのですぐ近くの、予約しておいた民宿に荷物だけを預け、早速つぼ湯へと急ぎました。
17:40 つぼ湯                            18:40  民宿での夕食
自販機で750円でつぼ湯の入浴券を買い、30分の貸切風呂に向かいました。この入浴券で公衆浴場にも入れるとのことで、
これも有難い!。  ここに泊まった目的の一つがこのつぼ湯に入ることでした。

つぼ湯は熊野詣の湯垢離場として世界遺産に登録された温泉の中で唯一入浴できる温泉です。

天然岩のお風呂を板で囲っただけの、2〜3人が入るといっぱいになるつぼ湯は、30分交替制で、
一日に七回もお湯の色が変化するといわれている不思議な温泉です。今回はうっすら青い色をしていました。

つぼ湯では石鹸類が使えないので宿に戻り、宿の温泉にも入って、夕食の時間です。
鴨鍋や鹿刺し、あゆの甘露煮などの山の幸を、ビ−ルと共に舌鼓(*^。^*) 。

同宿だった浜っこ知菜ちゃんは熊野古道が大好きで何度も歩いているとのこと。
青春18きっぷ愛好家ということもあって、すぐに意気投合!。熊野古道を語り合って楽しいひとときを過ごしました。
その後、公衆浴場にも入りにいって、長かった一日が終わりました。

▲ 熊野古道小辺路 
   果無峠越
 




▲ 大日越

3日目  3月10日  

 ▲ 中辺路  新宮〜速玉神社〜神倉神社〜王子ヶ浜〜浜の宮王子〜大門坂〜那智山
              
昨日の雨もすっかり上がり、天気も回復するようです。
湯峰温泉の泉質は極上で、昔から熊野詣での旅の疲れを癒してきたのでしょう。
湯峰温泉から本宮への代替バスの
発車時刻は8時19分なので、
その前に宿を出て、温泉地を
散策していました。
浜っこ知菜ちゃんは慣れた感じで
生たまごを買って、90度の温泉に
投入して温泉たまごを作っています。

そこで温泉たまごを抱えた男性
と会いました。
熊野古道を歩いてきたことや、
これから向かう先の話をしていると、
『今から那智方面に向かうけど、
新宮は通り道だから乗っていけば
いいよ』と言ってくれました。
生たまごを買って、湯筒で温泉たまごを作れます
「何で見ず知らずの人が 乗せてってあげるよと言ってくれるの?・・・」と私は疑問に思ったのですが、
そこへ浜っこ知菜ちゃんも来て、『それならありがたく乗せてもらいましょう』と・・・。  「???」 
和歌山の人はみんなとても親切なんだって。そんなわけで、二人一緒に乗せてもらいましたョ。
男性は休日を利用して田辺から災害救援ボランティアをしているとのことでした。
台風12号で被害を受けた箇所を色々と回っていて、今日は那智に行くとのことで、その通り道である湯の峰温泉で、
温泉たまごをたくさん作っていたようでした。
車の中からもその被害の様子が確認できましたが、地元の人達がみんなで助け合って災害救援の作業をしていたのですね。
頭が下がります。
9:15  熊野速玉大社公式サイト
熊野川を車で下り、バスよりも30分以上早く、新宮に着きました。温泉たまごと、朝作ってきたというめはり寿司も頂き、
速玉神社で車を降りました。  和歌山の人は優しい人ばかり!ありがとうございました。

浜っこ知菜ちゃんと一緒に速玉神社に詣でました。彼女は今日は帰る日で、最終日には必ずここを訪れるとのことでした。
9:40  神倉神社 へは鳥居から石段を登る          恐ろしく急な石段にビビる          
定刻よりも早く参詣できたので、神倉神社(かみくら)まで足を伸ばすことにしました。
熊野速玉大社からは徒歩15分ほどで神倉山の麓に着きます。
神倉神社熊野速玉大社の飛地境内摂社で、 新宮市中心市街地の西側にある千穂ヶ峯の東南端を神倉山
といい、
その山上に神倉神社があります。
 

神倉神社に参拝するには朱塗りの鳥居をくぐり、自然石を組み合わせて積み重ねた
「鎌倉積み」の急峻な石段を登らなければなりません。
この鎌倉積みの石段を見たら、そのあまりの急勾配に唖然・・・\(◎o◎)/! ビビりましたョ。 
登り始めて先の石段を見上げたら、ますます 怖くなりました ($・・)/~~~ 。 
転んだりしたら最後・・・どこまでも転がっていきそうなくらいの傾斜でした。

9:50  神倉神社 御神体   ゴトビキ岩          新宮の町の向こうには熊野灘が広がる

石段を登り切ると、山上にも鳥居があり、一枚岩の岩盤の上に数個の巨岩がどっかりと腰を下ろしています。
その巨岩群が神倉神社の御神体で、ゴトビキ岩と呼ばれています。

巨岩を御神体とする神倉神社は、やはり巨岩を御神体とする花の窟神社や滝を御神体とする
那智の飛瀧(ひろう)神社
とともに古代の熊野の自然崇拝の姿を今日まで伝えているということができるでしょう。

10:50  阿須賀神社 道路に埋め込まれた道しるべ 11:13 王子神社(浜王子跡)
恐ろしく急な石段を慎重に下って、新宮の駅方面に向かって歩きました。
駅で浜っこ知菜ちゃんとお別れして、ここからはまた一人旅が始まります。 
市街地は道が入り組んで、次に目指す 阿須賀神社はどこかしら?
この地では積極的に道を聞くことにしました。ホント和歌山の人はみなさん親切で、
気持ちよく道案内をしてくれます。   そしてこのあたりは道路に道しるべが埋め込まれていたんですね。
熊野本宮大社に詣でた人々は、
熊野川を下り熊野速玉大社参拝後、
熊野那智大社
へと詣ったと言われています。

私の今回のテ−マは熊野古道を巡り、
熊野三山を目指すというものです。

   800年前の熊野詣でが
   盛んだった頃と同じように

@ 峠を越えてまずは
本宮大社
   に詣でることがひとつ。

A 本宮からは熊野川を小舟で下り、
 
速玉大社に参詣(今回は車で)

B その後海岸伝いに南下し、
C 浜の宮から内陸部へ転じて、
 那智大社に参詣するというものです。

 いよいよ海が見えてきました。
11:25  熊野灘の海岸を歩く
11:45  振り返ると歩いてきた道がわかります      11:57 ここで海岸から上がる
海岸歩きは砂に足を取られて歩きにくいけど、平安人もこの熊野灘を見ながら歩いていたんだと思うと、
今も昔も 見える景色は変わらないのでしょうね。    線路の下をくぐって海岸から離れます。
12:04  高野坂入り口            12:07  眼下に熊野灘が見える
線路の脇から高野坂が始まりました。 きれいな古道に整備されていて、海も間近に眺められました。
12:18  情緒ある石畳               12:30  石畳の下りの道  
高野坂は今日歩いた古道の中で、一番美しい石畳と、すばらしい景観の道でした。
12:40  高野坂の終わり       13:26  小狗子峠〜大狗子峠  13:28小狗子(こくじ)峠入り口
高野坂の古道は30分ちょっとの道のりでした。 ここからは線路を渡って三輪埼駅に出ました。その先はずっと車道歩きで、
どれが熊野古道かも釈然としないまま、方向を間違えないように適当に歩いていきました。
市街地歩きは古道の趣きもなく、ただただ足が疲れるだけ。昨日同様登山靴を履いていたので、余計に足が疲れます。
国道では、バス停でバスを待っている人がいたので、すぐに来たバスにちょい乗りして、憂鬱な道路歩きをショ−トカットしました。
バスを降り、道を横切って標識に従い小狗子峠〜大狗子峠の古道へと進んだものの・・・
                            13:40  鍛冶屋口茶屋跡         13:43  小狗子峠
小狗子峠入り口までも わかりにくい車道歩きでしたが、やっと入り口から古道へと入りました。
今まで、きれいな古道ばかり歩いてきたからか、ずいぶん荒れた道だなって感じました。  あまり歩かれていないのか、
台風12号の被害のためかはわかりませんが、とりあえず小さな小狗子峠を越えました。
13:55  大狗子峠登山口   14:02 大狗子峠    14:07 道の駅 那智へ2kmの標識   14:26 脇道へ入る
大狗子峠へは、一旦国道に出て横断し、トンネル手前の旧道から登山口が始まっていました。
こちらも倒木が多く荒れた道でした。  トンネルの先に古道は下りて、ここからまた憂鬱な国道歩きが始まりました。
道の駅 那智へ2kmの標識の標識がありました。車の往来も激しく、足の疲労も増すばかりです。  
やっと脇道に熊野古道の標識があり、ここで国道と離れて静かな舗装道路になりました。 
        14:34   浜の宮王子         14:37 補陀洛山寺      熊野古道 曼茶羅のみち道標
浜の宮王子に着き、これでやっと内陸部へ転進・・・那智山への道になるわけです。 
補陀洛山寺からは再び交通量の多い道を歩道を延々と歩きます。
15:02 熊野古道 曼茶羅のみち道標(この先の橋が災害で流失)     15:13 熊野古道に入る
標識に従い、古道に入ろうとすると、その先には小川があるだけで向こう側には渡れず、アレアレ???。
ここにかかる橋は台風12号で流失してしまったとの事、ブル−シ−トのかかったお宅もその被害の後・・・のようです。
このあたりはまだその時の被害が色濃く残っているようです。
少し迂回して熊野古道に入りました。苔蒸した古道と竹やぶの道でした。
      15:26    15:30 尼将軍供養塔      田辺の方から頂いためはり寿司をほおばる
あまり歩かれていないような道の先には尼将軍供養塔がありました。
ここで小休止です。朝、田辺の方にいただいためはり寿司をパクリ!。
菜っ葉や鰹節の利いた味付けご飯でとっても美味しかった(^。^)y-.。o○。 「よっしゃ〜元気出たゾ〜!もうひとがんばり!!」

しかし・・・登山靴ではあまりにも歩きにくいので、ここでやっとウォ−キングシュ−ズに履き替えることにしました。
ホントならもっと早くに履き替えるべきでしたがネ・・・($・・)/~~~
15:46 再び古道に入る    16:06 この先の古道は判りずらい道になる。   16:12 舗装道路に出ると市野々王子
少し足元が軽くなって、いよいよ
ラストスパ−トです。

忠実に古道に入ることを心がけ
ましたが、この先の古道も道がわかり
難く、災害の影響だったのかも
しれません。

道に迷ったかなと思ったら市野々
王子があり、ここからは幹線道路の
一本内側の道を歩き、やっと
大門坂へと入ってきました。

この時間には大門坂を歩く人は
ほとんどいません。
おかげで静かな大門坂の石畳
の写真が撮れました。

坂を上がるところにあった杖を拝借し
て、杖に頼りながらもうひと頑張りです。
16:30  大門坂 16:35 樹齢800年の夫婦杉
大門坂             那智山案内
17:00     熊野那智大社
大門坂から参詣道へと入りましたが、土産物さんはもうすでに閉まっています。
夕方5時、やっと熊野那智大社に着きました。古えの道を歩き、往年の熊野詣でを追体験してみたいという
今日一日の行程を無事やり遂げ、まずは目標達成です。
しかし・・・この時間の那智大社はすでに閉門していて、正式な参拝ができませんでした(^_^;)
17:05  青岸渡寺                           17:15  三重塔と那智の滝
お隣には青岸渡寺があります。平安朝中期から鎌倉時代は、「蟻の熊野詣」といわれ、熊野三山の信仰が盛んになり、
この時、65代花山法皇が三年間山中に参籠され那智山を一番にして近畿各地の三十三観音様を巡拝されましたので、
西国第一番礼所となりました。
最終のバスは17時41分です。滝前駐車場バス停から勝浦行きのバスに乗って、勝浦温泉に向かいました。
熊野古道を忠実に歩けたことはこれでいいのかもしれないけど、何の目的で歩いたかという点では、中途半端な旅では
ないかしら? と、バスの中で思考を巡らせ、「よし、明日は計画を変更して、ちゃんと那智山に参拝しよう」 と、決心!。

勝浦のバス停で、明日乗るための バスの時刻表をデジカメに収めて、海に向かって歩きました。
ホテル浦島 公式HP    湯めぐり    温泉巡り記念スタンプシ−トを持って
その途中の食堂でまぐろ定食+生ビ−ルで晩ご飯を済ませ(写真撮り忘れました)、
酒屋で缶ビ−ル(地ビ−ル)を買ってフェリ−乗り場へと向かいました。

今晩のお楽しみはホテル浦島の温泉めぐりです。シングルユ−スだと朝食付きのプランのみですが、
部屋からは勝浦湾が見えてロケ−ション抜群だし、静かだった夜の勝浦の町とは一変して、
ここは何でも揃っている温泉パラダイスっていう感じでした。 
早速6箇所にある温泉をその日のうちに全て回ることに・・・!。
中でも忘帰洞は海の荒々しさを間近で体感できて大いに気に入りました。
翌日も露天風呂から日の出を見たりと、温泉三昧の2日間を大いに楽しみました。
4日目  3月11日

             熊野那智大社・青岸渡寺参拝   新宮(丹鶴)城跡・速玉神社参拝
           ▲  伊勢路  花の窟神社〜七里御浜〜松本峠  (有井駅〜大泊駅)
いよいよ最終日です。
計画ではホテル勝浦でゆっくりする
つもりでしたが、昨日残した課題を
やり遂げたかったので、ちょっと
早めにホテルを出ることにしました。

何でもある巨大ホテルなので、登山靴
や雨具や着替えなどは宅急便で
送ってもらうことにして、
身軽になって出発です。
浦島よろしく、かめさんの船で送迎です。
8:20  かめさんの船で送迎 ホテル浦島の全景
    9:15  熊野那智大社             9:25  青岸渡寺       新宮駅
勝浦駅に戻り、8時50分発の那智大社行きのバスに乗って、まずは那智大社に詣でました。
八咫烏(やたがらす)のマスコット付きのおみくじを買って、ご朱印をいただきました。 
次に西国第一番礼所である青岸渡寺にお参りして、西国三十三ヶ所のご朱印帳をいただきました。
勝浦行きのバスは10時10分です。 これに乗ってその途中の那智駅で下車します。

 テレビでは、ちょうど一年前の東日本の地震や津波の報道が多い中、
 去年の秋、和歌山県など紀伊半島を直撃した台風12号の被害の大きさが、
 いまだにあちらこちらに爪あとを残していました。
那智山への道では、川の氾濫の後や、山肌が崩れている箇所もあって被害の大きさを思い知らされました。
壊れかけた個人のお宅には多くの人達がいたりして・・・この光景も災害救援ボランィアをしている人達なんだなって思うと、
物見遊山で来ている自分はこれでいいのかなぁ〜と、目頭が熱くなりました。

道路工事も至る所で行われて、復旧までには多くの労力とたくさんのお金がかかるのでしょう。観光資源も多くある
場所だから、せめて観光客が入りその土地にお金をおとしていくことも、 地域の活性化にはなっていくのだと思います。
がんばれ東北! がんばれ和歌山!って思いましたョ。 そんな意味で私も少しはボランティアできたかな!(^^)!?
2:08  新宮城跡    12:18 本丸跡から熊野灘と新宮の町が見える。山の中腹に神倉神社の御神体、ゴトビキ岩も見える
那智駅でバスを降り、今度は新宮方面に向かうバスを待ちました。
10分ほど待って、東に向かうバスに乗り、次に向かったのは新宮です。  新宮駅で早めに駅弁をゲットしてから、
周辺の観光をしながら新宮城跡にも登ってみることにしました。 本丸跡からは新宮の町並みと熊野灘が見えました。
山側に目をやると、神倉山の中腹に、神倉神社の御神体、ゴトビキ岩も見えました。
11:45  熊野速玉大社            13:02 新宮駅から紀勢線に乗る   13:38 有井駅で下車
新宮までやってきた一番の目的は熊野速玉大社でした。 昨日もちゃんと参詣したんだけど、ご朱印をいただくのを
すっかり忘れていたので、それをいただきに来たんです。  これで満願成就ということになりました。
そしてここからが青春18きっぷの
出番ということになります。

計画変更をした時から、
今日の伊勢路は歩けないなと、
一時は諦めました。

でも、最終電車での乗り継ぎダイヤ
まで調べてあったおかげで、
帰宅時間を遅らせることで、
計画通りに伊勢路を歩くことができ
そうです。
新宮駅から紀勢本線に乗って、
有井駅で下車。

有井駅から、標識に導かれてまずは
花の窟神社をめざします。
13:40 13:50 花の窟神社
鳥居の前からは巨岩が見えます。鳥居をくぐり巨石の前までくると、イザナミノミコトの御陵がありました。
境内を抜けると国道を横断して、海岸へと降りていきます。
14:10 七里御浜                14:20   獅子岩
「日本の渚100選」の七里御浜を歩くコ−スとなります。その先に大きな岩が見えてきましたが、これが獅子岩ですね。
獅子岩を回りこんだあたりで、海岸から上がり、熊野市駅方面に歩いてみました。
14:34  松本峠 への道標       14:38 熊野市駅     14:52 熊野古道まちの駅
熊野市駅方面から松本峠に向かいましたが、その途中にあった、古民家風のアンテナショップに寄り道しました。
そこからほどなく松本峠の登山口がありました。
15:10   松本峠 入り口                    石畳の道が続いている     
伊勢路の古道は石畳が美しいです。
15:30 松本峠のお地蔵さま                  15:37  あずまやから見た風景
20分も登ると松本峠のお地蔵さまに出ました。ここからちょっと横道を行くと あずまやがあり展望台になっています。
熊野詣(伊勢路)の旅人はこの松本峠で初めて海を見たようです。七里御浜のずっと続く海岸線を見て感動したのでしょう。
この日は霞んで見えづらいけど、一番奥の山並みが目指す那智山が見え、思いを馳せた峠でもあるそうです。
下りも整った石畳の道が続き、国道まで降りてきました。(16:00)ここには伊勢まで140kmとの標識がありました。
ここからは大泊駅まで歩くのみです。最後、駅に向かう道が判らずに行ったり来たりしていたら 自転車に乗った女の子に会って、
その子に道を聞きました。 親切にも自転車を引いて駅まで送り届けていただき感謝、感謝でした。
最後の最後で道に迷って・・・時間いっぱいだったら慌ててしまったことでしょう。
16:20  大泊から紀勢線で多気へ〜       19:40 快速みえの車内で駅弁タイム
ここは無人駅です。ワンマンカ−での乗り降りも学習してわかるようになりましたよ!。
ボックスシ−トに一人がけして、ウトウトしながら2時間半。 終点の多気駅では、一旦駅外のコンビニに行って缶ビ−ルを買いました。
次に乗るのは〈快速みえ〉です。第三セクタ−を走るため、その区間だけの運賃がかかりますが、快速なので快適です。
2人掛けシ−トに一人で座れたから、新宮駅で買っておいた駅弁を広げました。 
紀州熊野路弁当(1050円)は紀州ならではのめはり寿司やさんま寿司、くじらやまぐろの竜田揚げも入って郷土色満点でした。

名古屋からは東海道線を乗り継いで青春18きっぷの旅が続きます。
幸い電車に遅れもなかったので、無事最終電車(23:42着)で起点に戻ってこれました。お疲れさま〜。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。

 日本では、各地で大きな災害に遭遇している場所がいっぱいあるんだなあと、実感しました。
紀勢本線に揺られて海岸沿いの路線からみる景色は、 一年前の大津波を襲ったのと同じような入り組んだ
海岸線が続いていました。 もしここでも大地震が来れば、東北と同じようなことがおこるのではと思ったりと・・・
スロ−な旅をしていると、その土地の風土やそこでの暮らしが見えてきたりします。
2日目・3日目とバスの車窓から見た風景は山は崩れ、川の氾濫の跡の残留物が川辺や欄干にも多く残り、
悲惨な状況でした。元通りになるまでにまだ多くの時間がかかりそうです。

東北でのボランティアの話題はテレビでもよく放映されていますが、和歌山県を襲った台風12号の被害の復興には
地元の人たちのボランティア活動が 郷土を愛する大きな絆と原動力になっていたことも、初めて知ることができました。
そして、旅先で出会った方々の あたたかな善意のおかげで、すばらしい熊野古道詣でが出来たことに感謝です。

熊野古道は奥が深いですね。次回再訪する時には田辺から中辺路を歩き本宮を目指してみたいという、
新たな目標もできました。  がんばれ和歌山!。ありがとう和歌山です。
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