仙塩尾根  〜仙丈ヶ岳ー間ノ岳ー北岳〜
2013年9月20日〜22日  
1週間前に早川尾根を歩いて、そこから見た仙丈ケ岳とそこから延びる長大な尾根の仙塩尾根。
今度はあの尾根を歩いてみたいと思ったのです。
2週続けての秋の3連休。今週の天気はまさに登山日和じゃあありませんか(^。^)y-.。o○
休日の前日に休みが取れたので、それも考慮しての登山計画を立てました。

仙塩尾根というからには、仙丈ケ岳と塩見岳を結ぶ尾根ですが、静岡県側からのアクセスの良さからして
やはり山梨県の芦安から広河原に入るのがベタ−。
だから仙丈ケ岳から三峰岳へ〜、そして間ノ岳を越えて北岳へと縦走するプランを計画してみました。
自宅から芦安までは135kmで、一般道を走っても3時間弱です。シャトルタクシ−(1100円)で広河原に入り、
平日ダイヤの朝9時発の北沢峠行きのバス(750円)に揺られて再び北沢峠へとやってきました。
9月21日 仙丈岳ー(仙塩尾根)−三峰岳ー間ノ岳ー北岳山荘(幕営)
9月22日  北岳山荘ー北岳ー右俣コ−スー大樺沢二俣ー広河原
9月20日  北沢峠ー仙丈ヶ岳ー仙丈小屋(泊)
9:45 北沢峠            10:05 一合目            10:22  二合目
今日は時間がたっぷりあるので、ゆっくりと仙丈小屋まで向かいます。小仙丈岳を経由する尾根道コ−スに入りました。
しばらくはシラビソやコメツガなどの樹林の中登りです。歩き始めて20分ほどで一合目という標識がありました。

これはいい目安です。約20分前後で次の標識が現れました。最初はちょっと急でしたが、尾根道なので歩き易い道が続きます。
10:50 三合目   11:05  四合目    11:40   五合目 大滝の頭
順調に高度を上げ、五合目は大滝の頭。ここは馬の背ヒュッテへの分岐にもなっています。
11:57  先週登った甲斐駒ヶ岳と早川尾根、栗沢山とアサヨ峰のピ−ク                 12:12  六合目
五合目の先で北側の展望が開けました。 石のゴロゴロした仙水峠の左には先週登った甲斐駒ヶ岳。
仙水峠の右側には、やはり先週歩いた早川尾根、栗沢山とアサヨ峰のピ−クもはっきりとわかります。

その先の六合目もいい感じに視界が広がりました。
12:42  ナナカマドと 甲斐駒ヶ岳と鋸岳     13:00  小仙丈ヶ岳
森林限界を越え、ハイマツ帯の登りです。ナナカマドは真っ赤な実を付けています。
山はもう秋の装い・・・空も真っ青で!高〜い!!。  大展望に導かれながら小仙丈ケ岳に着きました。
早川尾根の先には鳳凰三山。  北岳から間ノ岳へのゆるやかな稜線と、名峰の大展望台です。
13:20  仙丈小屋への分岐     13:35  ウラシマツツジの紅葉
前方に小仙丈カ−ルと、その上に聳える仙丈ヶ岳を見ながら仙丈小屋への分岐までやってきました。
このまま仙丈ヶ岳に行くこともできますが、荷物も重いので まずは仙丈小屋に向かいます。
藪沢カ−ルの底の部分にあるのが仙丈小屋。 ウラシマツツジの紅葉を見ながらちょっと下っていきました。
14:25  仙丈小屋           15:20  仙丈ヶ岳
仙塩尾根を歩く計画を立てる時、最初に仙丈ヶ岳?それとも北岳?とそれぞれの行程をシュミレ−ションしてみました。
基本テント泊ですが、最初に仙丈ヶ岳に登りスタ−トするほうがベタ−でした。
しかし、その場合は1泊目は仙丈小屋となり、幕営できない場所なので、小屋泊まりとなります。
当日は3連休の前日なので、まだ登山者は少ないだろうと見込んで、ここに泊まることにしました。
まだ新しい小屋で、その日の宿泊者は20人以下だったようです。
シュラフは持っているから、素泊まりで寝具不要で4000円を支払い、荷物を置き、ちょっと一休み。

小屋入りしてきた登山者達は美味しそうにビ−ルを飲み始めていましたが、こんなにいい天気だし、
まだ時間もたっぷりあるから仙丈ヶ岳に登って山頂での〜んびり過ごそうと思いました。
小屋から仙丈ヶ岳までは30分ほどの登りです。
15:20  仙丈ヶ岳
今回用意した命の水はエビスのロング缶が2本。ペットボトルに入れて凍らせた赤ワインが500CC。
保冷剤兼用の冷凍パスタとの相乗効果でまだ缶ビ−ルは飲み頃に冷えていました。 
スタッフバックに缶ビ−ル1本とつまみやおやつも入れて、仙丈ヶ岳にやってきました(^。^)y-.。o○。山頂で至福のひとときです。
北岳と富士山の2トップ
360度のパノラマの中で約1時間ほど過ごしましたが、この時間は誰も登ってこなくて、
なんとも一人贅沢な空間を満喫できました。携帯で明日・明後日の天気予報もチェックして、計画通りに歩く決意を固めました。
明日歩く道ってどうなっているのかな?
実はいよいよ明日歩く仙塩尾根ってどんな道なのかすっごく不安。
明日の行程はとても長いので、はたして歩き通せるのかなあという緊張感もあります。 だから、今日のうちに仙丈ヶ岳に登って
おいて、明日歩く仙塩尾根を見ておきたかったのです。まずは大仙丈カ−ルを従えた大仙丈ヶ岳が大きく聳えています。
そこからぐっと高度を落とし、ポコポコといくつものピ−クのある長い尾根がカ−ブを描いて見えてます。・・・長そうな道程だぁ〜
17:00   小屋の外で晩酌タイム
小屋に戻り、階段下で荷物の整理をしました。一般宿泊者は2階の布団のある部屋におさまりましたが、
私はマイシュラフがあるので、1階の食堂に寝るのだそう。 そろそろ5時になり、食堂に集まってきました。
外のテラスからは中央アルプス、正面には鋸岳と甲斐駒ケ岳がど〜んと見えます。
テラスが空いたので、特等席に陣取り、優雅に晩酌タイムが始まりました。
17:50  夕景の甲斐駒ケ岳と中央アルプス
そろそろワインタイムに突入した頃、夕食が終わった登山者もテラスに出てきて、夕暮れの風景を楽しみました。
寒くなったら小屋のテ−ブル席でのんびりテレビを見て、夜の7時には宿泊者は2階に上がったので、あとは食堂にひとりだけ。
好きな場所を使ってね、というので何てラッキ−!。こんなに居心地のいい小屋泊まりができるなんてと、うれしくなりました。

9月21日 仙丈岳ー(仙塩尾根)−三峰岳ー間ノ岳ー北岳山荘(幕営)
4:50 出発     5:20   仙丈ヶ岳と月(標高3033m)          富士山と北岳 
夜半は強い風が吹いていて、風力発電が作動している音がしてましたが、よく眠れました。
「今日は早出をしなければ。」と、3時半ごろ目が覚めましたが、こんな強風の中を一人で歩くなんてちょっとイヤだなぁ〜・・・。
2階はまだ寝静まっているようですが、こんな時 周りに気遣いなく準備ができたのもありがたい限りでした。

2階からご来光を見に行く人達がそろそろ降りてきた頃、フル装備を持って出発しました。
風が強く、風避け対策を万全にして、ヘッドランプがなくても月明かりで充分歩けます。
空身の登山者に追い越されながら30分で仙丈ヶ岳に着きました。 
ご来光を待つ登山者が静かにその時を待っていますが、私だけ大仙丈ヶ岳に向けて下っていきました。
5:32   仙塩尾根に入る     5:35  大仙丈ヶ岳に向かう途中でご来光
さて、ここからが未知の世界。朝を迎える山々が少しずつ彩りを変えていってます。
振り向くと仙丈ヶ岳がだんだん遠くなっていきます。 ここでご来光・・・。 しばし足を止めて太陽の力強さを感じました。
5:40  大仙丈ヶ岳に朝日があたる          5:41  中央アルプスも朝焼けに染まる
この時間の光の変化が1日のうちで一番好きです。山の上でなければ体感できない光景ですよね。
前方の大仙丈ヶ岳に朝日があたりオレンジ色に輝いています。中央アルプスも雲海の上にパステル色に浮かび上がりました。
6:00  大仙丈ヶ岳(標高2975m) (約20分休憩タイム)      6:28  これから歩く仙塩尾根    
すっかり朝になりました。大仙丈ヶ岳に到着です。ここからの景色も申し分なく絶景。風は相変わらず強いけど、空は秋の色。
太陽の光が眩しくて・・・。仙丈ヶ岳を眺めると、もう誰も居ません。小屋は6時から朝食だったからみんな降りてしまったようです。
だからこの周辺に居るのは私ひとり。 ここからしばらくも私以外はいないはず。
ここから下ると樹林の中なので、しばしこの時間を大切にと、ゆっくりと過ごしました。 さて、大仙丈ヶ岳から先の尾根の様子は
どうなっているのでしょう?。 初めて踏み込む尾根だから不安もいっぱいですが、いよいよ出発しましょう。
6:45   大仙丈ヶ岳からあっという間に下ってきました
ガラガラとした急斜面を下る道です。左側には大仙丈カ−ルが見え、このカ−ルが一番大きいような気がしました。
あっという間に高度を下げました。反対ル−トなら、最後にここを登るわけ!、この登りが一番キツいだろうな〜と思いました。
7:23    北岳と間ノ岳  手前は 今日歩く仙塩尾根
前方にハイマツ帯が見えてくるとそろそろ樹林の中に入っていきます。北岳から間ノ岳に至る稜線が遠いような近いような・・・? 
というのも北岳と間ノ岳の北岳寄りの鞍部に今日の最終目的地の北岳山荘があるはずです。
展望があるうちにもう一度仙塩尾根を再確認。尾根はその先で色々な方向に延びているからいったいどの尾根から向こう側の
稜線に上がるんだろう?とこの時点では確信がありませんでした。 (実際歩いてみたらどの尾根だかわかりましたョ)
7:35  1週間前に歩いた甲斐駒ケ岳と早川尾根も見える
二重稜線になったハイマツ帯を抜けると樹林帯に入りました。とたんに風が無くなり暑くなったので、カッパを仕舞いました。
視界は北側に開けていました。1週間前に歩いた甲斐駒ケ岳と早川尾根が見えます。
早川尾根をしみじみ眺め、自分の歩いた箇所はとっても愛おしく親しみ深いものです。
早川尾根の最初のピ−クの栗沢山から、仙丈ヶ岳からゆるやかに伸びる仙塩尾根を見て、歩きたいと思った日から1週間。
まさかこんなに早く実現するなんて(^。^)y-.。o○    (毎週末ヒマってこと・・・?(^^♪ )
7:40  樹林帯に入る      7:50  樹間から北岳が見える    8:00  この辺りはお花畑だったところ
さて、すっかり樹林の中に入ってしまいました。尾根道は稜線よりも野呂川側に付けられていて、
たま〜に樹間越しに北岳が見えます。ダケカンバなどの明るい樹林には夏のお花畑の名残がちらほら見られました。
8:33  しらびそ林になった       行動食はちらし寿司   8:35  伊那荒倉岳 (標高2519m)   
徐々に高度を下げ、しらびそ林になりました。やがて樹林の中に小さな平が現れ、伊那荒倉岳という地味なピ−クに着きました。

ここで標高は2519m。仙丈ケ岳のピ−クから標高差で約500m高度を下げました。
コ−スタイムで約3時間だから下りなら重荷でもいいペ−スで来れました。
展望は北岳方面がちょこっと見える程度ですが、ここで小休止。昨日の夜に作っておいた行動食のちらし寿司をほうばりました。
長時間の行動時には休憩ごとに少しづつ口にするようにつとめます.。
愛用のお助けサプリ(アミノバイタル)もここで一服・・・長丁場に備えましょう。
9:20   変化の多い樹林帯       9:35 時々樹間から遠望が利く
伊那荒倉岳から少し下ると高望池という小さい池があり、そこからアップダウンが多い樹林歩きになりました。
樹木もどんどん変化し、南アルプスの懐の深さを実感できます。
このあたりから両俣小屋から歩いてきたパ−ティ−3〜4組ほどとすれ違いました。
一組は昨日バスが一緒だった2人組で、両俣小屋に幕営し、今日は仙丈ヶ岳までピストンし、両俣小屋に戻るとのこと。
女性の単独の方は幕営装備を担いで北沢峠まで降りたいと言っていました。どちらも健脚です。
9:37  独標(標高2499m)  歩いてきた道を振り返る
何度かアップダウンを繰り返し、前方のハイマツの先に小さく開けた露岩の小ピ−クに出ました。
ここが独標のようです。標高は2500mそこそこですが、遮るものがなく、久々に展望が開けました。
早朝、仙丈小屋を出発してから5時間近く経ちました。 仙丈ヶ岳と大仙丈ヶ岳の登りは一時間ほどで、大部分は下りばかりです。
ここからは仙丈ヶ岳から大仙丈ヶ岳を越えて仙塩尾根を歩いてきた行程が良く確認できました。
独標から 仙塩尾根の先の三峰岳を確認する        10:35  横川岳(標高2478m)
独標から、これから歩く尾根の行方も気がかりです。地図を取り出してどの尾根が仙塩尾根で、そこから上がるピ−クの
三峰岳がどれなのかを目で追ってみました。さて独標から再び樹林を下り、また登ったりしてまた1時間が経過しました。
次のピ−クは横川岳で、展望も無いようなピ−クでした。ここで仙塩尾根はまっすぐに進むのではなく、
直角に左方向に下るようになっていて、野呂川越の小さな看板が置いてありました。
10:40  北岳から間ノ岳      11:00  平らな道になる
相変わらず樹林の中ですが、苔むした森や視界の明るい場所など、歩き易い道が続きます。
北岳は朝見た時よりは近くにあるように感じました。道はだんだん下り傾向になり、やがて平らな尾根道になりました。
11:00  野呂川越(標高2300m位?)    11:25  しばらくは平らな尾根道
木に赤いペンキで両又という字と矢印が確認できました。ここが野呂川越で、仙塩尾根の最低鞍部になります。
標高は2300m位でしょうか?。今日の行程の前半は下り・・・(^^♪。
そして疲れが出る後半になって登りっぱなしの道になるのです。  野呂川越からしばらくは平らな道が続きました。
12:08  仙丈岳がどんどん遠くなる    12:15  倒木の多い原生林
7〜8年前、両俣小屋から野呂川越に上がり三峰岳を越えて熊の平小屋まで歩いたことがあります。
熊の平小屋から塩見岳には何度か歩いているので、仙丈ヶ岳から塩見岳に至る『仙塩尾根』を歩いたことになりました。
熊の平小屋に シ−チキンさんやゆうこりんを訪ねて、何度か違うル−トで通ったことを懐かしく思い出していました。
13:30  2699mピ−ク         2699mのピ−クから三峰岳を探す
南アルプスらしい深い原生林にどっぷりと浸かり、ピ−クをいくつも越えながら、やっと灌木帯に出て『2699mピ−ク』
までやってきました。ここまででもかなり登り甲斐があったような気がしますが、目指す高みはまだまだ長い道のりです。
木の間から見た三峰岳と、それに至る仙塩尾根はこれからますます傾斜が増しています。
小休止して、お助けサプリも飲んで、後半の正念場へとむかいましょう。
14:12   あのピ−クを越える    14:15  傾斜は急です。岩場を乗り越える
灌木を抜けるとハイマツ帯の登りです。岩が露出している場所もあり、鎖があるような急な登りの連続です。
14:20  紅葉が始まった稜線
ひとつピ−クを越すと、また次のピ−クが見えます。そんな繰り返しの道の先に三峰岳が見えるようになりました。
もうこのあたりからは森林限界を超えた稜線歩きです。天気も良くちょっと安心。山は少しづつ色づきはじめています。
14:50  歩いてきた道のりを振り返る。仙丈ヶ岳は遥か雲の中
そろそろ午後の3時です。早朝から歩き始めてすでに10時間が経過しました。
後ろを振り返ると、スタ−ト地点の仙丈ヶ岳は雲に隠れてしまいましたが、あんなに遠くになってしまいました。 
一日かけて歩いてきた尾根はここからはっきりと確認できますね〜。「よくもまあ・・・歩いてきたもんだ〜〜〜。」
14:53  あの先のピ−クが三峰岳   15:03  三峰岳の左側に回りこんで鞍部を目指す
さあ、あの先のピ−クがついに三峰岳です。険しい岩稜帯を登るのではなく、左側から回り込んで分岐に出る道でした。
15:04 三峰岳直下の分岐      15:16  三峰岳と歩いてきた仙塩尾根
三峰岳直下の分岐に着いたのは午後3時です。
私の後から登ってきたトレランっぽい単独の若者は、これから塩見岳方面に向かうと言っていました。
少し雲がかかり始め、塩見岳方面はすっぽり雲の中に入ってしまったようです。でもここから塩見岳ってまだまだ遠いですよ。
 農鳥岳も近い
私は三峰岳からは仙塩尾根と逆方向に、北岳山荘に向かいます。分岐からは、農鳥岳がよく見えました。
手前には農鳥小屋も見えました。今までは間ノ岳に隠れて見えていなかったけど、こんなに至近距離で見られるって嬉しいな〜。
15:18  間ノ岳に向かう    15:48  岩だらけの道になる
三峰岳直下の分岐からは、まずは前山越えが待っている!。行く手に見える大きな山の塊が間ノ岳。
ピ−クが3つほど見えてどれが山頂かわからないけど、とりあえず登らなくっちゃ!。この道は初めて歩く道です。
標高差200mを一時間かけて歩くというコ−スタイムです。
16:10  間ノ岳(標高3189m)
1時間登って間ノ岳に着きました。今日一番の高所です。やれやれ、よく歩きました。
でも、のんびりはしていられない。北岳山荘まではまだあと1時間半ほど歩かなければ・・・
16:57 中白根山(標高3055m)              やっと北岳に近づいてきた
間ノ岳からはたくさんの人が歩く縦走路ということになります。
空身でお散歩に来ている人やらたくさんの人にすれ違いました。夕方5時ごろ中白根山を通過しました。
すいぶん日も傾きはじめました。 北岳はどんどん大きくなり、北岳山荘のテントも見えるようになりました。
17:45  中央アルプスに夕日が沈み・・・    北岳が夕日に染まる・・・
夕方5時45分、やっと北岳山荘に着きました。夕日を見る登山者が稜線上にいっぱい集まっています。
しばし足を止めて中央アルプスに赤く沈む夕日を見て、夕日に染まる北岳も見て、北岳山荘まで幕営の手続きをしにいきました。 
受付や売店は人でごった返し。順番について、幕営料600円と、缶ビ−ル2本(350cc)1000円を払って、
テントが張れそうな場所を探しにいきました。いい場所はすでにいっぱいで、石ころだらけの斜面にもテントが張られています。 
好天の3連休の初日だから、混んでいるのは当たり前!。なんと小屋は布団一枚に二名だって書いてあったから、
多少立地が悪くてもテント泊ほど気楽なものはないでしょう。

ハイマツの間にわずか1畳分の空き地を見つけ、ここにテントを張りました。
開口部を東側にして、すぐ近くには他のテントもなくて、私が理想とする立地条件でした。
水は1リットル100円でわけてもらいます。 テント内の整理も終わり、外を見るとオレンジ色のお月様が雲海から
上がってきました。富士山も見えます。しかし、開けっ放しだと寒いので、後はテント内で過ごしましょう。
まずはサラミをかじりながら缶ビ−ルを1本。次はスパイ−シ−な辛口カレ−でもう1本。
仕上げは赤ワインとチ−ズでお休みなさ〜い。

9月22日  北岳山荘ー北岳ー右俣コ−スー大樺沢二俣ー広河原
昨日の行程の仙塩尾根は標準コ−スタイムだと10時間30分というものでした。 
荷物が重い分と休憩時間を含めれば、12〜13時間ほどかかるだろうという予想でしたが、予想通りの13時間。
よく歩きました。ゴ−ルの北岳山荘のテント場でその日4袋目のアミノバイタルを飲んで、一日頑張った足にご褒美をあげました。
そんなメンテナンスの甲斐があってか、3日目の今日もすこぶる快調、快足な予感です。
5:33  今日もいい天気                     マイテントと富士山 
中秋の名月を数日過ぎたお月さんは一晩中明るく照らしていました。
星も月も見ないまま、テントの中では熟睡してしまいましたが・・・ 今日は6時間かけて下山するだけだから、
朝は時間も気にせずゆっくりと起き出せばいいんです。テントを開けると雲海がオレンジ色に染まり始めました。
入り口を全開にして、テントの中からご来光を拝むことにいたしましょう。
5:37 富士山とご来光                5:45  テントサイトで朝ラ−メン
昨晩、お月さまが上がった場所あたりからご来光が始まりました。ご来光と富士山・・・いい光景です。
さて、次はの〜んびりと朝ごはん。3000mの稜線は寒いだろうからと、インスタントラ−メンを持参しました。
テントでの朝はしっかりと食べることは珍しい、これも時間があるからできるんですよね〜。
7:05  北岳山荘出発                  7:30 
テントも畳み、ゆっくりと出発。荷物の食糧分だけは身になったから軽くなったような気がします。
 ここから北岳山頂までは1時間半ほどの登りです。道中は険しいけど、さすがは超メジャ−な山ですから
、同じ方向で向かう人や山頂から降りてきた人やら、この時間は銀座状態です。
左側には、昨日歩いていた仙塩尾根がずっと続いています。今はどの山より仙塩尾根が愛しいと思うな〜。
8:25  北岳山頂(標高3193m)
北岳山荘から1時間20分。北岳に到着しました。 富士山に次ぐ、日本で2番目に高い山だし、こんなにいい天気だから、
山頂からの絶景はもちろんです。360度、どこをみても山だらけ。
遠くは北アルプス。中央アルプスも。南アルプスもほとんど見えています。北岳の標識の向こうには仙丈ヶ岳。
左側が三峰岳、手前が間ノ岳方面  (昨日歩いてきた仙塩尾根の全容)  右端が仙丈ヶ岳 出発地点
その仙丈ヶ岳から南方に目をやると、仙塩尾根がずっと続いていて、やがて三峰岳のピ−クへと続いていて、
三峰岳から私は手前に見える間ノ岳を越えて、ついに北岳の山頂にいるんだよな〜
左 甲斐駒ヶ岳 早川尾根の全容 白鳳峠から高峰〜そして鳳凰山へ〜  奥は八ヶ岳
今回2日目が長丁場だったけど、最終日の朝に北岳に立って、自分が歩いてきた軌跡をしみじみ眺めることが出来るって、
やっぱり感動もの。仙塩尾根は、南アルプスの懐にとっぷりと抱かれているのを体感できる素晴らしい尾根、
通称バカ尾根なんて呼ばれているけどそんなことは無いヨ!

北岳山頂からの景色はやはり素晴らしい。朝だから展望が際だっています。
一週間前に歩いた甲斐駒ヶ岳も、早川尾根のすべても見渡せ、下山を開始した白鳳峠。
早川尾根は白鳳峠からは高峰に上がっています。そして鳳凰山へと続いています。
9:23  北岳肩ノ小屋          9:34 草紅葉
さて、北岳山頂で絶景を眺めた後は北岳肩ノ小屋に向けて下山を開始。
後は下るのみだし、よく歩いてきた道だから気持ちがとってもラクです。北岳肩ノ小屋から先は草紅葉の始まった稜線歩き。
9:50  小太郎尾根分岐              ナナカマドと高嶺〜鳳凰三山
小太郎尾根分岐で右折して、ちょっと下りがあって、次の分岐では右俣コ−スと草すべりコ−スに分かれます。
草すべりコ−ス(白根御池小屋)は後半登りがあったような記憶なので、
右俣コ−スを下りましたが、後で計算したら草すべりのほうが10分ほどコースタイムが短かったようです。
10:03  右俣コ−ス・草すべり分岐            10:08  ダケカンバの林
どちらも急な下りですが、3連休の中日だけあって続々と登ってくる登山者とすれ違います。
夏ならばお花がいっぱい見られるのに、もうすっかり夢の跡・・・ 途中防鹿ネットが張られている箇所がありました。
しばらくはダケカンバの林を下ります。明るくていい感じです。
秋の花もちらほら・・・リンドウやトリカブト         10:50  大樺沢が見えてくる   11:02 大樺沢二俣
リンドウやトリカブトなど、秋の花に和みますね〜。行き交う登山者も相変わらず多いです。
やがて大樺沢が見えてきて、沢を見ながら下ると大樺沢二俣に着きました。 あとは大樺沢に沿って歩きます。
11:24  北岳バットレスが見える      11:43
振り返ると北岳のバットレスが見えます。上部は紅葉が始まっていることもわかります。
11:43 傾斜は緩む      11:56 枝沢を渡る   12:21 沢の流れの中をあるくとゴ−ルは近い
大樺沢二俣からは傾斜が緩み、沢沿いを歩きます。崩壊地には迂回路が付けられ、小さな枝沢を木の橋で渡ったりします。
沢の流れている箇所を歩くようになると、ゴ−ルは近い。
12:30 最後は巨木が多い原生林を歩く       12:50 広河原         13:35 芦安駐車場
巨木の中を歩くようになると広河原山荘です、野呂川に架かる頑丈な橋を渡って広河原のバスタ−ミナルに到着しました。
北岳山荘から北岳に登って広河原に下山した行動時間は5時間45分。

午後1時前に着くと、常にタクシ−が待機しています。下山した人は次々に乗り込み、定員になると発車していきます。
だから10分も待てば動き出します。帰りは助手席だったので、運転手と山や海の話しをしてあっという間の35分でした。
 Top 登山編  観光編