東北の名峰と秘湯の山旅シリ−ズ パ−ト3 | ||
パ−ト1 岩手山と国見温泉 パ−ト2 秋田駒ヶ岳と乳頭温泉 パ−ト3 早池峰山 |
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前日は乳頭温泉≪鶴の湯≫に泊まって、温泉三昧と豪華な郷土料理に舌鼓・・・ 宿の朝食も楽しみだったけど、東北紀行最後の一日、ちょっと頑張れば早池峰山に 登れそうだったので、朝食の代わりにおにぎり弁当を用意してもらいました。 朝早く起きて、誰もいない露天風呂にゆっくりと入りました。 早池峰山の登山口までは2時間位かかるので、朝6時に宿を出発しました。 秋田県から再び岩手県に移動しました。花巻市・遠野市という案内版を見ると、 『観光もしたいなぁ〜』と、つい欲張ったことを思ってしまいます。 大迫町から≪岳≫という集落に入り、ここに車を置いて、シャトルバスに乗り換えます。 私たちは河原坊の登山口から登って、小田越へ下山する計画です。 バスに15分〜20分ほど揺られて河原坊に着きました。 ここで下車する人の数は少なく、6〜7割は小田越まで乗っていくようです。 |
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8時30分に河原坊の登山口を出発しました。最初は緑いっぱいの比較的平らな道でした。 | ||
30分ほど歩くと、コメガモリ沢を横切る場所が出てきました。沢の流れる横に登山道が付いていて、 所々にウスユキソウが咲いていました。よく見ると、一般的によく見るミネウスユキソウでしたが、 この先で見ることができるハヤチネウスユキソウがどんな花なのか、期待は高まるばかりです。 大きな岩がゴロゴロして、下に水の流れる音がする道を登るようになりました。 上を見上げるとこんな岩だらけの中に点々と登山者の姿があり、結構な急登が始まりました。 |
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ヨツバシオガマ ・ ウラジロヨウラク | ミヤマオダマキ | |
いつしか水の音もしなくなり、岩を乗り越えながら、岩稜帯の中を登っていきました。 岩の間の草地には色々な種類の高山植物が見られるようになりました。 ヨツバシオガマやハクサンチドリなどが、たくさん咲いていました。 岩手山で見たオダマキ(ヤマオダマキ)は茶色と黄色の花でしたが、早池峰山に咲くオダマキはすべて青い色でした。 |
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ミヤマオダマキ | ナンブトラノオ | ハヤチネウスユキソウ |
河原坊からの登山道は沢ル−トなので、この先もずっと険しい岩場の道が続きます。 ハヤチネウスユキソウも出始めました。厚みと産毛があって、他のウスユキソウの種類よりも高貴な感じがしました。 蛇紋岩は滑りやすく、砂と岩のミックスなので、下りや雨の時は特に滑りやすい急坂です。 ここを登りのル−トにして良かったと思いました。落石を起こさないように注意しながら、険しい急坂を登ったのですが、 早池峰山ならではの固有な花がたくさん見られ、感激しながら道草ばかりしていました。 |
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いたるところに ハヤチネウスユキソウ が咲いていました | ||
早池峰山の南面は、一合目から赤茶けた岩が露出しています。 蛇紋岩と呼ばれるこの岩が、「高山植物の宝庫」早池峰山を生みだしました。 蛇紋岩は、植物の生長を妨げるマグネシウムを多く含んでいます。 他の植物が生長しにくいこの岩場に暮らす事で、高山植物は独自の進化を遂げました。 |
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ハヤチネウスユキソウ | ||
厳しい環境に最もうまく適応した固有種がハヤチネウスユキソウです。 白く花びらのように見えるのは、実は形が変わった葉で、ビロ−ドのような厚みがあり、産毛で覆われていました。 アルプスの名花エ−デルワ−スの近似種といわれ、ウスユキソウの仲間ではもっとも大型で高さ10cm〜15cm。 【地上の星】とも称されるように気品があり、霧の雫を纏った姿は美しかったです。 |
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11:00 千丈ヶ岩 | アズマギク | ヨツバシオガマ |
早池峰山の山頂には霧がかかっていましたが、霧の切れ間から見える山頂は大きな岩がゴロゴロした、 岩だらけの山でした。この先もずっと岩稜帯を登っていきます。 |
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ヨツバシオガマ・ ミヤマヤマブキショウマ | ||
ミヤマオダマキ ・ ナンブトラノオ | キバナノコマノツメ? | |
蛇紋岩地を植生とする、早池峰山ならではの花として 《ミヤマヤマブキショウマ》 はこの時期たくさん咲いていました。 ピンク色のかわいらしい花を放射状に付けた 《ナンブトラノオ》 も初めて見る花でした。(数はあまり多くありませんでしたが) |
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北上高地の最高峰、早池峰山。 標高は1917m。 山頂には早池峰神社の奥宮がありました。 早池峰山山頂も、大きな岩ばかりの 岩山でした。 多くのハイカ−で賑わっています。 山頂には避難小屋があって、 トイレもありますが、登山者の多い この時期は、し尿の後始末(運搬) も大変なので、 携帯トイレを販売していて 各自お持ち帰りを呼びかけていました。 |
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11:20 早池峰山 山頂 | 11:45 下山開始 | |
ミヤマアズマギク | アオノツガザクラ | |
避難小屋の横を通って小田越へと下山を開始しました。 先ほどの岩稜帯と景観はまったく変わり、咲いている花も多種多様になりました。 早池峰のミヤマアズマギクの花の色はピンク色じゃなくて、青紫色でした。この花も道中たくさん見ることができました。 |
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ミヤマシオガマ | チングルマ | コイワカガミ |
しばらくは平坦な木道歩きとなり、御田植場という湿原にはコバイケイソウの白い花穂が風にゆれていました。 早池峰剣ヶ峰への分岐あたりから、のびやかな草原歩きは終わり、再び岩だらけの急な下りになりました。 このあたりからハヤチネウスユキソウの花が、たくさんの群落を作っていました。 |
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八合目の天狗の滑り岩には鉄梯子 がかかっていたり、鎖場などもあったけど、 登りに歩いた河原坊口よりもこちらの小田 越への道のほうが歩き易いと思いました。 12:20 遠く樹林の中にポツンと建物が見え、あのあたりが下山ポイントです。 |
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12:50 振り返って早池峰山を見上げる | 13:10 小田越登山口へ下山 | |
蛇紋岩の岩稜帯を下りきり、再び樹林の中に入ってきました。 ここからは平坦な道で木道などもあり、程なく車道に出ました。 40分ほど待ってシャトルバスに乗り、岳集落へと戻りました。 |
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